久し振りに飲んだワイナリー。

熟成感があり、思ったよりも飲み頃であった。

 

ワインデータ

ワイン名:Ch. de Pez
生産地:France > Bordeaux > Haut Médoc > Saint Estèphe
生産者:Ch. de Pez (Louis Roederer) (シャトー・ド・ペズ)
品種:Merlot (メルロ), Cabernet Franc (カベルネ・フラン), Cabernet Sauvignon (カベルネ・ソーヴィニヨン), Petit Verdot (プティ・ヴェルド)
スタイル:Red Wine

ワイナリー

1995年、ルイ・ロデレール社社長フレデリック・ルゾーの父ジャン=クロード・ルゾーが、長い歴史をもつシャトー・ド・ぺズに出会います。
創設が1452年と古く、その後2世紀にわたり、偉大なテロワールのパイオニアであり、シャトー・オー・ブリオンのオーナーでもあったポンタック家が所有していたこともありました。

実際、ペズの畑は一箇所にまとまっており、傑出しています。
理想的な位置にあり、建物も壮麗です。
格付けシャトーではない?
まさにその点が、私の父の関心をひいた理由の一つだったと言えるでしょう。
眠れる美女に息を吹き込むという考えに魅了されたのです。
そして、保管されていた非常に多くのヴィンテージをテイスティングした結果、父は購入を決めました。
非常に円みがあり上品、エレガントなどと形容できるペズのワインは、サンテステフのイメージとかけ離れています。

こうして、シャトー・ド・ペズは、世界中の特別なテロワールのワインからなる《ロデレール・コレクション》に加わりました。
伝統に支えられながらも非常にコンテンポラリーなワイン、生産量が少なく、それぞれのアペラシオンの代表となれると私たちが期待を寄せるワインの仲間入りをしたのです。

ここ数年間ひたむきに、情熱と献身とともに、ぶどう樹の植え替えを進めてきました。
シャトー・ド・ペズのワインのスタイルを確立するために、畑に不可欠な武器を提供するためです。
ダイナミックでイニシアチブに富んだチームの努力の結果、ワインのバランスや品質が大きく改善しました。
眠れる美女は、今やグランクリュがもつ資質の全てを有しています。
ペズは自らの歴史のターニングポイントにいる、と私は考えています。

サンテステフには色々な土壌が見られるのですが、ペズの畑は第四紀の典型的なもので、粘度の下層土とガロンヌ川の砂礫質の表土がバランスが良く層を成しています。

アペラシオンのなかでも、最も高い場所に位置し、起伏のある土地です。
したがって排水も良好。近くを流れる大河が、霜害から守ってくれます。
雹も非常に稀です。
また、吹く風が葉を乾かして、樹の病気の自然な防御壁となってくれるほか、雨量調節の役割も果たします。
これら全てが作用して、偉大なワインが生まれます。

私たちの目標は、このテロワールの真価を引き出すと同時に、それを保持していくことです。
ぶどうの質を決定づけるギュイヨ・プサール剪定などの作業は、シャトー・ド・ペズの16人からなる常勤チームで行っています。

機械による耕作や、必要に応じたオーガニックな施肥など、良識ある農業を育んでいます。
作業の仕方やその影響を絶えず考察し、ビオディナミや草生栽培など、様々な方法を試行しています。

更に、生物多様性の保持・発展にも取り組み、小動物の《生態学的回廊》となる生け垣や、受粉に役立ち環境の健全性の指標となるハチの巣を設置したりしています。

このアペラシオンで、ペズは他のシャトーから一目置かれています。それは単に、歴史的な威光のためだけではありません。創始時まで遡らなくとも、1964年のペズのように、サンテステフの伝説として語り継がれているワインがあるからです。
とはいえ長い間、ペズのワインに日が当たることはありませんでした。
ところが、ジャン=クロード・ルゾーが《ロデレール・コレクション》に加えたことで、ペズは世界の表舞台に躍り出たのです。

2000年代初めには既に、ルイ・ロデレール社は、ペズの秘められた可能性を全て引き出したいと望んでいました。
そして、栽培からワイン熟成に至る全過程で働き方の精度を高め、ペズならではのスタイルを確立していったのです。

メルロのふくよかさと、カベルネ・ソーヴィニヨンの骨格の新たなバランスを定め、畑の区画割りを全面的に見直したのもその一環です。
これに伴い、各区画の細かいニュアンスを十分に引き出すため、醸造棟に円錐台形のステンレスタンク18基を新たに導入。
このパーセル・アプローチは、エリック・ボワスノの指導のもとで行われる見事な圧搾過程でも用いられ、ペズのワインに、重厚な骨格と複雑性をもたらします。

今日、2005年から続けてきたシャトーの再構築の成果が得られるようになりました。
フレンチオーク製の600もの木樽の選択に至るまで、それぞれの過程で細心の注意を払って正確にアプローチしてきた結果、コクと果実味に溢れ、ふくよかでしなやか、口に含むとボリュームを感じる典型的なメドックのワインに仕上がっています。
長期熟成にも適した、美味しいワインです。

このワインは

乾燥した冬に、低温で湿った春が続きました。秋は日中の暑さと夜間の涼しさに恵まれ、ぶどうは非常にゆっくりと成熟しました。
収穫は9月17日から10月7日に実施。

カベルネ・ソーヴィニヨン51%、メルロ43%、カベルネ・フラン3%、プティ・ヴェルド3%

テイスティング

一言で言うとエレガント。
インク、ベリー、チョコの香り。
ドライでタンニンと酸のバランスが良い。
熟成感も良く、美味しかった。

飲んだ日:2023-12-05
飲んだ場所:ピザバー・ナポリ甲府中央
価格:8,250円
インポーター:エノテカ

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