群馬県の小さなブルワリーですが、駅の売店などには置いてあるので、結構有名なのかもしれません。

初めて樽生で飲みましたが、モルティーでバランスが良い。

 

ビアデータ

ビール名:おう穴
生産地:日本 群馬県吾妻郡中之条町大字四万4366-1
生産者:四万温泉エールファクトリー(株式会社小春日和)
アルコール:5%
IBU(苦さ 平均15~20):
モルト:
ホップ:カスケード
タイプ:アンバーエール
価格:900円(300mL)

2番

ブルワリー

四万温泉は山間地のため平らな土地が少なく農産物がほとんどありません。
その為、特産品という物を作ることが大変難しい状況にありました。
しかし、温泉は豊富で、自然は豊か、そして人間にとってもっとも大切な『水』がとっても清らかでおいしいのです。
その証拠に水道水がとってもおいしいです。
四万温泉にきたらミネラルウォーターではなくて、水道水を飲んでください。
違いはわからないと思います。
その四万温泉のおいしい水を使って名物・特産品を作るために、平成23年6月28日、株式会社小春日和は「発泡酒製造免許」を取得しました。
お酒やビールの中身のほとんどは「水」です。
だから、醸造所は「美味しい水」のあるところに作られます。
それは、地酒でもビールでも同じ事だと思います。
だから、きっと美味しいお酒ができあがります。
四万温泉エールファクトリーなんて格好いい名前ですが、とっても小さなブルワリーです。
だから、少しずつ、少しずつ手作りしています。

一杯一杯に愛情を込めています。

ビールの酒税というのはとても高額です。
なんと1,000リットルあたり220,000円。
つまり、500mlの中瓶1本当たり110円。
だから、大手のビールメーカーは副原料の砂糖やコーンスターチを入れたり、薄くして軽い味のビールしか造れない(んだと思います)。
そんなに高い税金を払ったのでは、私たちのような小さな醸造所ではとても気軽に飲めるようなビールは造れません。
そこで、税金の安い発泡酒の製造免許を選択しました。
おかげでスケールメリットの全然無い小さな小さな醸造所ですが、そこそこの価格で売れる地発泡酒がつくれました。(その代わり地ビールと謳えなくなってしまいましたが……..)
しかし大手ビールメーカーの低価格が売りの発泡酒とは違います。
逆に下手なビールよりこだわっています。
麦100%です。
ホップ以外の原料は麦しか使っていません。
発行するためにどうしても必要な糖分を麦を直接糖化してつくっています。
だから深いモルトの味わいが楽しめるのです。
大手のビールとは全く違ったビールを目指しています。
深い味わい。豊富な香り。濃い色.......。

実は、発泡酒にしたおかげでありがたい“おまけ“が付いてきました。
フレーバーをつける材料を自由に選べるのです。
群馬県の名産である”梅”を使ったり、地元でつくっているイチゴやリンゴ、ブルーベリーを使うことが出来ます。
友人の作っている「いもっ娘」という干し芋だって使えます。
もう少し余裕が出たらそんな楽しい四万温泉エールをつくってみたいですね。夢はふくらみます。

平成30年4月の酒税法改正で発泡酒免許でも『ビール』をつくっても良いことになりました。
もちろん、細かい条件はあるんですけど。

このビールは

わずかに加えたブラックモルト由来のロースト香と風味があり、ホップの複雑な風味を活かしながらやや強めの苦みを加えている。
ほのかなカスケードホップの香りがスッキリとした味わいに仕上がった褐色エール。

四万温泉エール2番目のおう穴(おうけつ)はアンバーエールスタイルです。
目指した味わいは当然、1番目のペールエールとは全く違う味わいにしたい。
濃色麦芽が使われているので色は茶褐色なので、明らかに違いが分かります。後は味です。
色が濃いと言うことは当然モルトの風味が強いので、それだけで違いが分かるだろうと思ったのですが、ついでにホップの香りも違いを出したいと考えました。
それが何年も続く悩みにつながるとはこのときは考えもしませんでした。(詳しくはこちらを)
まあ、とにかくホップの香りを変えるためにアメリカンホップの代表格カスケードを主体に使うことにしました。
今考えると、ペールエールがアメリカンホッフでの香りが強くて、アンバーエールがモルトの風味が強い方が通常の考え方何ではないかと思いますが、ちょっと変わってるんですかね?
結果的には、ホップの香りはひかえめで、モルト風味がいかされたアンバーエールに仕上がっています。

数年来、カスケードホップの香りが強まらないと工夫を重ねてきましたが、やっとどうすればいいかが分かりました。
答えは単純で、ヨーロッパ産だったホップをアメリカ産に変えれば良かったんです。
ただ、もう何年も今までの味で販売してきたので今更大幅に変えることは出来ませんでした。
今のままで十分美味しかったと思います。
でも、こだわりなのでカスケードっぽい風味は強めました。
コクも出たような気がします。
とりあえず、この味わいにこだわって続けて行きたいです。
アメリカンホップ香るエールは別の方法で実現したいと思います。
セッションIPAの高野山はアメリカンホップたっぷりなのでそれとの差別化も問題です。

おう穴は四万温泉の観光名所『甌穴(おうけつ)』からいただきました。
甌の字は難しいので、ひらがな表記にしています。
甌穴は四万温泉の入り口付近の四万川の川底にある大きな穴の事です。
川の流れで川底の石が動き、何万年?もかけて川底に丸い穴をうがったそうです。
ちょうど甌穴のあたりは発電用に川の水がバイパスされているので水が少なく、穴のすぐ近くまで行ってみることができます。
川の底に穴が開いているということは当然水深が深くなっているため、今話題の四万ブルーを見るスポットにもなっています。

テイスティング

暗いブラウン。
フルーティなモルトの香り。
苦味は少なめ。

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