「こくりつ」なのかと思ったら「くにたち」だったブルワリー。

久々の青々としたホップ感。

 

ビアデータ

ビール名:Prelude -INDIVIDUAL ORCHESTRA #1- / take5
生産地:日本 東京都国立市
生産者:KUNITACHI BREWERY
アルコール:3.5%
IBU(苦さ 平均15~20):
モルト:Pale Ale Malt、Wheat Malt Light、Crystal Maple
ホップ:Copper、Mackinac
タイプ:セッションヘイジーIPA
価格:770円

ブリュワリー

古代から現代へと連続する時の流れの中で、果敢な挑戦や冒険こそが人の“文化”を築いてきました。

くにぶるは、一度に1,000Lのビールを醸造できる大型設備と、200Lのビールを醸造できる小型設備をそれぞれ備える、ClassicalなスタイルとExperimentalなシリーズに挑戦できるブルワリー。
半永久的にビールをつくり続けることができる設備や環境を整えています。
醸造家や多様な分野における職人や匠とのコラボレーションを重ね、“ビール文化”を次世代へ繋いでいくことを目指して、未来の醸造家たちの挑戦と冒険を讃えていきます。

1979年、くにぶる醸造長の斯波克幸は、国立市の中心を横切るJR南武線・谷保駅から徒歩数分、住所においては府中市で生まれ育ちました。
音楽の道を志す、お酒の飲めない青年でした。
やがて「文化はどこからはじまって、続いているのだろう」という興味から、日本の歴史を遡って調べていくうちに“発酵”文化に、そして全ての興味関心は“ビール醸造”に集約されていきました。
静岡市のブルワリー『AOI BREWING』で3年間醸造士として働き、1年間は醸造長を務めた後、国立駅舎が再築され新しく生まれ変わった2020年に国立へ再び戻り、くにぶるの醸造長になりました。

このビールは

アメリカのMichigan州で栽培されたホップだけを使用したRaw Session Hazy IPA!BETのSebastianとのコラボレーションから生まれたこのビール、今回がTake.5です。

トップにはマンゴーやピーチ、ライム、レモン、パイナップルが爽やかに香り、フレイバーはマンゴー、パイナップルからピーチ、ライム、グアバ、グレープフルーツ、タンジェリンオレンジと爽やかなトロピカルフルーツから柑橘へと移り変わります。
温度帯によって官能できる香りが異なる点も楽しんでいただけると嬉しいです。

ホップは前回と同じくCopperが主役ですが、大きな変更点が3つ。
まずMash Hopの量を大幅に増量して香りのテクスチャを豊かに。
また香りの底上げのイメージで使っていたCentennialを今回は敢えて抜いてみました。
最後に酵母をLutra kveikからVoss Kveikに戻したことで、固有の柑橘感がフレイバーに加わっています。

Michigan州のホップは同じアメリカのYakima渓谷のホップよりも全体的に爽やかなニュアンスが強めなのですが、今までのシリーズ同様にその個性が良く出ていると思います。

Lutra KveikからVoss Kveikへ酵母を戻したことで最終比重は前回よりもやや高めですが、一方でアルコール度数は前回よりも低め。
Raw 製法ならではのタンパク質由来の口当たりの柔らかさにより、低アルコールとは思えない飲み口は健在です。

低アルコールながらの爽やかでドライな飲み心地とボリューム感の両立を目指してTake.5まで進んできましたが、ここで一回Preludeでハイアルコールにも挑戦してみても良いかなとも思っています。

ところで、お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、実はINDIVIDUAL ORCHESTRA シリーズにはそれぞれ名前があったのですが、今まで明らかにしてきませんでした。
INDIVIDUAL ORCHESTRA #1はPrelude。
前奏曲という意味ですが、KUNITACHI BREWERY の小型設備での初めての仕込みと日本の商業的醸造所におけるおそらく初めてのRaw製法醸造への意気込みを込めて、この名前を付けて斯波が個人的に呼んでいました。

すべてのINDIVIDUAL ORCHESTRAシリーズには名前があり、今後はその名前も知ってもらいたいと思っています。
ビールイラストもイソガイさんに少し刷新していただいているので楽しみにしてください。

テイスティング

ミルクセーキ色。
青々とした柑橘系の香り。
ミルキー差はあるが、控えめ。
苦味はしっかりで余韻も長い。

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