色々な良い意味でシュナン・ブランとは思えないようなクロ・ド・ラ・クーレ・ド・セラン。
試飲などで少しだけ飲むのではなく、時間をかけてしっかり飲むべきワイン。
シュナン・ブランというブドウ品種の奥深さを垣間見ることができると思います。
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ワインデータ
ワイン名:Clos de la Coulée de Serrant クロ・ド・ラ・クーレ・ド・セラン
生産地:France > Val de Loire > Anjou&Saumur > Savenniéres
生産者:Nicolas Joly (ニコラ・ジョリー)
品種:Chenin Blanc (シュナン・ブラン)
スタイル:White wine
ワイナリー
クーレ・ド・セランはシトー派修道僧たちによって12世紀(1130年)に植えられ、以来ずっとブドウが残存していました。
そして2008年は878回目のヴィンテージです。
建物の一部を形成する古い小さな修道院は、歴史的建造物に分類されています。
数百メートルにも及ぶ葡萄畑に隣接しているロシュ=オー=モワンヌの旧要塞の遺跡が見られ、ここではフィリップ・オーギュスの息子が1214年にリチャード・ザ・ライオンハートの息子であるジョン王に勝利した戦がありました。
※英仏戦争中の1214年7月2日、イングランド王国とフランス王国の間で戦われた戦闘。イングランド王ジョンは城の包囲を試みたが、アンジュー貴族に協力を拒否されたことで撤退した。
この戦いはブーヴィーヌの戦い(フランス王フィリップ2世が神聖ローマ皇帝オットー4世、フランドル伯フェラン、イングランドのソールズベリー伯ウィリアム(長剣伯)、ブローニュ伯ルノー等の連合軍をフランドルとフランスの境近くのブーヴィーヌで破った戦い。)と同じです。
要塞は300メートルの強化された路地に連なり、また”イギリス人の墓地”は、ブドウ園とそこから見えるロワールを展望できます。
ケルト人、ローマ人、カロリング朝などの時代である過去の痕跡が深く残っています。
この場所は長く有名であり、ルイ11世は頻繁に「金の雫」と話していました。
ルイ14世はここに訪問しようとし、馬車は泥で立ち往生してしまいました。
“国王はどんな気分だっただろうか”と噂になりました。
M. コンスタンチン・ヴェイエール(著作家)やアレクサンドル・デュマ(作家)もその話題に関して言及しています。
そして最近では、20世紀の初めに食文化の王でもあるキュルノンスキーが、フランスの5つの最高の白ワインのひとつと定義しました。
ドメーヌは1980年にバイオダイナミック農業を開始しました。
1984年以来ブドウ園全体はバイオダイナミックになっています。
合成化学製品、殺虫剤、全身性製品または硝酸塩はその特性上使用されていません。
少量の硫黄と “ボルドー液”(銅と石灰)が毎年ぶどう畑に散布されます(1haにつきボルドー液約10㎏、銅の2.5㎏に相当)。
硫黄はブドウの花に有益な効果があります。
銅の量は限られており、過剰な銅は土壌の寿命にとって有害だからです。
収穫期には、ブドウ摘みは数回にわたります。
収穫期間は、熟している房のみを選ぶ為に数ヶ月の期間に渡って伸びることがあります。
このワインは
7haの「アペラシオン」だけである。
ロワールを支配する非常に険しい斜面に位置し、”シュナン”のブドウは平均樹齢が35〜40年以上あります。
最も古い樹は80年以上の歴史を持ち、新しい樹も元気に伸びています。
馬や手で部分的に栽培され、平均生産量は1ha当たり20/25hL(40hLまでが許可されています)です。
斜面は南/南東向きです。
ブドウ収穫は、最も成熟度を得るために3〜4週間のうち5回行われます。
ワイン製造:500Lの樽(新木を5%以上使わない)。
生産:約25,000ボトル/年
テイスティング
熟成した24金を思わせる美しい深い黄金色が特徴で、グラスに注がれた瞬間からその輝きが目を引きます。
この色合いは、ワインが長い時間をかけて丁寧に熟成されたことを物語っており、その深みと豊かさを予感させます。
ワインがグラスの中で黄金色に煌めく様子は、視覚的に楽しませてくれるだけでなく、これから始まる味わいの旅への期待感を高めてくれます。
まず感じられるのは、カリンやアンズ、熟れた洋梨の香りです。
これらのフルーツの香りに続いて、ゆっくりと昇ってくるハチミツの甘い香りが特徴的です。
また、ジャスミンの花のようなフローラルなノートや、シトラスの爽やかなアクセントも感じられます。
この豊かで魅力的なブーケは、ワインの奥深さと上品さを強く感じさせてくれます。
口に含むと、まずハチミツや熟したピーチ、アプリコット、焼き梨の風味が広がります。
これらのフルーティーなノートが、ミネラル感やフリントのようなニュアンスと絶妙に調和しています。
上質なブランデーを思わせる豊かな味わいで、アタックは強く、しっかりとした存在感があります。
中盤には、ミディアムボディの程よい厚みと上品さが感じられ、ワイン全体のバランスが素晴らしいです。
適度な酸味がワインのフレッシュさを保ちつつ、長い余韻が続くため、一口ごとに新たな発見がある。
ビオディナミを名乗る作り手はまずはこのワインを超えてからにして欲しいと思えるほどの出来。
自然派と聞いて顔を顰める人でも感動する。
飲んだ日:2018-09-04
飲んだ場所:LOVAT (ロバット)
買った日:2017
買った場所:紀ノ国屋アントレ ルミネ品川店
価格:7,800円(特価品)
インポーター:ファインズ