元フジッコワイナリーの鷹野ひろ子氏が12の農家から仕入れたブドウを醸造しているワイナリー。
ラベルの色合いは面積比率が栽培者の原料構成比だそうです。
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ワインデータ
ワイン名:Koshu Cuvée SF
生産地:Japan > Yamanashi
生産者:7c | seven cedars winery (セブンシダーズワイナリー)
品種:Koshu (甲州)
スタイル:White Wine
ワイナリー
富士河口湖町には、「その昔、富士の噴火を鎮めるために建てられた」と言われている“河口浅間(あさま)神社”が河口北岸エリアにあります。
“河口浅間神社”は古くからこの河口という土地を守り、地域に根ざした親しみある存在として、この地に住む人々を守ってくれているという安心感を与える続けている神社でもあります。
本ワイナリーはそんな地域にとって大切な存在である“河口浅間神社”と同じように、「地域に根ざし、この地の人々に親しまれる」施設にしていきたいという願いと、この地を守り続けてきて下さったことへの敬意を評し、この地ならでは縁(ゆかり)を名に冠しました。
その名を「7c|seven cedars winery(セブンシダーズワイナリー)」とし、“河口浅間神社”に1200年ほど前から立ち続け、この地の深くに根をはる巨木「七本の千年杉(御神木)」に由来します。
新たにこの土地に生まれ、地域に根ざし、葡萄畑とともに育っていく小さなワイナリーを、あたたかく見守っていっていただければと思っています。
ワイナリーのロゴには、日本一の富士山のシルエットと河口浅間神社にある七本の千年杉をイメージしたシャープな複数の縦ラインで組み合わせられています。
この縦ラインは神社境内における七本の千年杉のレイアウトを表しつつも、天から降り注ぐ光や、恵みの雨をも表現しています。
ロゴの制作は、グローバルとローカルの融合的視点を軸としたブランドストラテジーからアートディレクション、デザイン、そして、建築やインテリア、ランドスケープまで包括的なブランドデザインコンサルティングを行う、artless inc.のCEO川上シュン氏が手がけており、ワイナリー建屋の基本デザインからワインのパッケージデザインまでトータルブランディングも行っています。
ワイン造りは、「風土の表現」「葡萄の表現」「栽培者・造り手の表現」を志すものです。そんな中で「7c|seven cedars winery」は特に葡萄栽培者に光を当てたワインづくりを目指します。
葡萄栽培者、地域・農地を守る取り組み、販売者そして造り手チーム、数々の縁や想いが繋がってかたちになった、かつてないワイナリーです。
ひとりひとりの葡萄栽培者の特徴を活かし、農家を“まるごと”ワインにするというコンセプトの元、農家をよく知り、栽培者の葡萄を見続けてきた醸造チームで新しいワイナリーのかたちをつくっていきます。
■農家を“まるごと”ワインにする独自の取り組み
「7c|seven cedars winery」は“12の農家”と“醸造家:鷹野ひろ子氏”との醸造チームで動き出します。
そんな“12の農家”とつくり出す、農家を“まるごと”ワインにする為の独自の取り組みは以下、3点です。
【見る】葡萄をきちんと見る
葡萄の状態を細かく見極めることを大切にし、その葡萄の個性をきちんと見ることから始まります。
収穫前には成分分析も行いながら、適切な収穫時期を見極めます。
さらに葡萄及び、葡萄栽培者にフォーカスした小仕込み(小タンク仕込み、小樽仕込み)でのワイン造りを行います。
これは葡萄の個性を活かす独創性のある新たな取り組みです。
【つかむ】葡萄の良さを引き立てて活かす、つかむ努力
葡萄栽培の過程で、各圃場の栽培者と会話を重ね、時には醸造家自身が栽培の手伝いをしながら関係性を深めていく中で、「圃場の土質」「どういった気候・風土の立地か」「各栽培者の特徴は何か」を深く理解し、葡萄栽培者とともに品質向上を目指した取り組みを積極的に行います。
どうしたら葡萄ごと、農家ごとの個性が活きるかを考え、深く知ることのできるよう「つかむ努力」を続けます。
【見出す】ふさわしい造り方を見出す
醸造側の合理化を最小限に留め、葡萄栽培者ごとにワイン製法を微調整します。
その年、時々異なる「葡萄栽培者1人1人」の強みや個性を十分に表現する醸造を試みます。
今回、共にワイナリーをつくる“12の農家”は、これまで醸造家がずっと見続けてきた葡萄農家です。
葡萄栽培者ごとに異なる葡萄の味わい・性質を十分に理解しているからこそ、農家をまるごとワインにする新たな取り組みの実現が可能になります。
また、小さなワイナリーだからこそ、もう一歩踏み込み、深く観察することができます。
事前に醸造チームが葡萄に対して多くの情報を持つことで、醸造家と葡萄栽培者との共創的な関わりが期待できます。
このワインは
栽培者の個性と風土が光る、良質な甲州種葡萄の味わいを素直に引き出したワインです。
シンプルな造りだからこそ、各栽培者の作る葡萄の品質がストレートに表現されています。
2人の栽培者のワインをブレンドし、タンク熟成することで、味に深みが加わり、更に品質が高まりました。
※ラベルの2トーン色はそれぞれの栽培者を表わし、その面積比率が栽培者の原料構成比になっています。
味わい:辛口
生産本数:673本
品種:甲州種 100%
栽培地:山梨県甲州市大和町、山梨県甲州市勝沼町
収穫日:2023/10.1,3
発酵/熟成槽:SUSタンク
熟成期間:タンク熟成6ヶ月
アルコール度数:12%
総酸度:6.9g/L
適温温度:12℃
原料葡萄について
両者の持つ甲州畑は共に笹子おろしの風(付近の御坂山地や笹子の山からの吹きおろしの風)を感じられる西向きの場所(大和町と勝沼町鳥居平地区)に所在しています。
そのため共にやや晩熟の傾向にあり、骨格がしっかり感じられることから、この2者をブレンドしています。
製法について
シュール・リー製法。
タンク熟成期間は6ヶ月間。
ステンレスタンクにてお2人のワインをそれぞれ発酵させた後にブレンドし、タンク内にて熟成させました。
熟成中は滓(おり)を撹拌して絡めるバトナージュを実施しました。
滓下げ剤不使用、酒石酸塩不処理、粗濾過のみ、にてボトリングしました。
酵母以外の醸造因子が品質に大きく作用しないよう、出来るだけシンプルな造りを心掛け、葡萄の個性を最大限に引き出すことに努めました。
テイスティングコメント
甲州キュヴェ5種の中で最もオレンジ味を帯びたオレンジイエロー。
みかん、アンズ、桃のような芳しい香りを感じます。
味わいは豊かで最も骨格成分の強さがあり、そこへ旨味や果実味のジューシーさ、余韻の長さを感じます。
ワインに合う料理
焼き鳥(塩) / 地鶏ソテー / 鮭とほうれん草のクリームパスタ
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65% koshu by tadahiro shinozuka
篠塚忠廣
葡萄品種:甲州種
葡萄畑:山梨県甲州市大和町日影
仕立て:棚栽培
篠塚氏は、栽培醸造責任者の鷹野と共にかつて同じワイナリーで栽培をしていたこともあり、ワイン用葡萄を良く知り得ている方です。
篠塚氏の栽培はとても丁寧で、品質を上げるために収量制限をしており、棚は明るいです。
全房雨よけの傘を掛けてくださるので、いつも葡萄が綺麗です。
大和町は、甲州市の中では山の谷間にあります。
成熟がやや遅く、酸をしっかり残しながら収穫をじっくり待ち、糖度もしっかり高められています。
35% koshu by koji furuya
古屋浩司
葡萄品種:甲州種
葡萄畑:山梨県甲州市勝沼町勝沼
仕立て:棚栽培
古屋氏は勝沼町で観光園を営みながら葡萄栽培を行っています。
奥様が栽培醸造責任者の鷹野と友人関係である御縁から、お付き合いをさせていただいています。
鳥居平の丘陵の中腹にある畑にて、味の濃い素晴らしい品質の甲州種葡萄を作られています。
テイスティング
色合いは淡く輝く透明感のある黄色で、非常に洗練された印象を与えます。
グラスに注ぐと、光を受けて美しく輝き、涼やかでさわやかなイメージが広がります。
この優美な色合いは、甲州ワインならではの特徴で、シンプルでありながらも洗練された雰囲気を感じさせます。
香りに関しては、柑橘系のフレッシュな香りが立ち上がり、特にレモンやグレープフルーツを思わせる爽やかさが漂います。
これに加え、ほのかなミネラル感とブドウの旨味が香りに深みを与え、香り全体にバランスの良さが感じられます。
微発泡の心地よい泡立ちが、鼻腔に刺激を与えつつも柔らかさを保ち、このワインのフレッシュさとエレガンスを強調します。
味わいにおいては、軽やかな微炭酸が最初に口の中で弾け、次に柔らかく丸みのある酸味が広がります。
この酸味はしっかりとしていながらも、全体的に非常に優しく、爽快感を与えます。
甘さは控えめでありながらもほのかに感じられ、口の中で程よく広がる旨味が後味に残ります。
バランスの取れた味わいが、非常に心地よく、何度でも楽しみたくなる仕上がりです。
飲んだ日:2024-10-04
飲んだ場所:オアシス
価格:3,080円