今まで全然知らなかったブルワリー。

ニューイングランドIPAですが、強い濁りではなかった。

 

ビアデータ

ビール名:NE IPA
生産地:日本 山梨県南都留郡西桂町小沼2242−2
生産者:TPM BREWING
アルコール:6.5%
IBU(苦さ 平均15~20):
モルト:
ホップ:ギャラクシー・モザイク・シムコー
タイプ:NEIPA
価格:580円

ブルワリー

西桂町にあるカフェギャラリー、SPRING GALLERY代表/写真家の寺田哲史と申します。
静岡県静岡市生まれです。
高校卒業後、飲食店勤務などの社会人経験をした後、写真家になろうと東京造形大学デザイン学科写真専攻に入学しました。
卒業後2016年に同大学非常勤講師になると同時に、地域おこし協力隊として神奈川県から西桂町に移住して地域の活動を開始しました。
協力隊活動終了後の2019年6月末に西桂町内にSPRING GALLERYをオープンさせました。

2つの役割を持ったSPRING GALLERYは若手中堅アーティストの企画展を開催し、カフェスペースではギャラリー来場者や地域の方々に向けてスパイスカレーやクラフトビールなどの飲食メニューを提供してきました。

2019年のオープン当初からドリンクメニューのメインはクラフトビールです。
私自身ビールが大好きで、使用する水や麦芽、ホップ、フルーツなどの原料によって多彩な味が出せるクラフトビールを楽しんでいました。
趣味である海外旅行の主な目的は各地方で作られたビールを堪能することでしたし、特にドイツ各地域に根付いたビール文化やコミュニティに対して強い魅力を感じていました。

クラフトビールの魅力を知ってもらいたい、そんな思いで国内外のビールを積極的に紹介していると、町内のクラフトビール好きが少しづつ集まるようになりました。
ビールを飲みながら、彼らと地域について語り合う事も増えてきました。自分たちが住んでいる町が好きで、今の元気がない状態を何とかしたいという思いが真摯に伝わってきました。
西桂町には、富士山の伏流水を利用したミネラルウォーターと郡内織物という特産品がありますが、それ以外の特産品が少なく、町の活性化を考えていた私たちはこの問題について特に時間をかけて話し合っていました。

クラフトビールと西桂町が好きなら、富士山の伏流水で美味しいクラフトビールを作って町を盛り上げよう!非常にシンプルな理由です。
こうして2019年12月、私たちは西桂町に新しい特産品を作ろうとクラフトビール製造に必要な【発泡酒製造免許取得】の準備を開始しました。

さっそく関東にあるブルワリーを視察させてもらい、醸造工程や必要な設備をリストアップしました。
いくつかのブルワリー視察を重ねながら、海外の醸造・発酵に関する文献やレシピ本を取り寄せ勉強を続けていましたが、当然ながらビール作りの経験値は一向に上がりません。
クラフトビール製造免許を取得するために次にするべきは醸造研修だと実感し、研修先を探すことにしました。

西桂町の隣、富士吉田市にある「ふじやまビール」は創業24年のクラフトブルワリー。
国内では老舗のブルワリーで、伝統的なドイツビールのスタイルを採用しています。
私は2020年7月から12月まで合計14回の研修を受け、ピルスナーやヴァイツェン、デュンケルなどビール醸造方法や販売方法などブルワリーを運営するうえで不可欠な知識と経験を得ることができました。

醸造所開設にかかるコストを抑えるため、SPRING GALLERYの一部分を改修し醸造所として使用することにしました。
日本では最小規模の醸造所です。町の設備屋さんや電気屋さん、ガス屋さんたち職人さんに助けられながら、半DIYで工事を進めました。

2021年12月醸造スペース完成
ブルワリー名はTPM BREWINGに決定!ロゴも完成!

西桂町には〈三ツ峠〉という日本二百名山にも選定されている山があります。
山頂付近にある〈屏風岩〉はロッククライミングのメッカとして知られ、山頂からの富士山を目当てに多くの登山者が訪れます。
ブルワリー名はそんな三ツ峠の英語表記Three Peaks Mountainの頭文字を取ってTPM BREWINGとしました。
ロゴデザイン制作:山口督平

2022年4月12日、ついに醸造免許を取得!!
醸造スペースの工事や醸造設備の導入、免許の申請時に必要な「取引承諾書」など、町の方々に助けられながら少しずつ進めてきた申請手続き。
計画がスタートしてから2年半が経った頃、ようやく製造免許を取得することができました。

ブルワリーを立ち上げようと思い立った強い動機の一つとして西桂町のPRがあり、ラベルには西桂町の風景写真を採用したいと考えていました。
たくさんの方にビールを届けることができれば、同時に西桂町を知ってもらうきっかけになります。

このビールは

小麦とオーツ麦を使った柔らかな口当たりと、ホップの香りが特徴のヘイジービールです。

テイスティング

想像していた分かりやすいミルクセーキ色のNEIPAとは違いました。
濁り濃い黄金色。
土や穀物と苦味を想起させるホップの香り。
香りは少なめなので、ブルゴーニュグラスで飲んでも良いかも。
苦味はあるが、穀物寄り。
後半フルーティーな香りも。
この作り手は穀物系。

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