第一次地ビールブームから堅実に続いている八ヶ岳ブルワリー。

他のブリュワリーがどんどん畳まれてしまった中で結構凄いことですね。
長龍酒造との兄弟ビールで長龍酒造とタッチダウンで同じホップを使用してお互いのブルワリーの酵母を使用しているビール。

 

ビアデータ

ビール名:SHIKA
生産地:日本 山梨県
生産者:YATSUGATAKE BREWERY
アルコール:6.5%
IBU(苦さ 平均15~20):23
モルト:
ホップ:Free Style Hop Motueka, Idaho 7,Free Style Hop Nelson Sauvin
タイプ:ヘイジーIPL
価格:800円(330mL)

ブリュワリー

はじまりは、ビール醸造量の規制緩和(※)によって沸き起こった、いわゆる“第一次地ビールブーム”のさなか、日本最高峰のビール職人 山田一巳(やまだ・かずみ)が清里へやって来た1997年にさかのぼります。
※ ビール醸造免許の取得に必要な最低醸造量の規制が、1994年の規制緩和によって年間2,000KLから同60KLに引き下げられました。

山田はかつてキリンビールで「一番搾り」や「ハートランド」の醸造開発責任者を歴任した醸造家。
大手メーカーのビールづくりが分業・機械化していくなかにあって、開発から醸造まで一手に把握できる数少ないビール職人でもありました。

そんな山田が40年以上勤めあげたキリンビールを定年退職した1996年、「清里で山田さんのビールをつくって欲しい」というラブコールを送ったのが、山梨県の清里高原リゾート「萌木の村」創業者である舩木上次(ふなき・じょうじ)です。

呼びかけに応じた山田は、40年以上にわたる経験のすべてを注ぎ込み、清里の地で再びビールづくりに情熱を注ぐこととなりました。
そのビールが「八ヶ岳ビール タッチダウン」です。

ところで、そのビールが「タッチダウン」と命名されたのはなぜでしょう。
実は「清里開拓の父」と言われるポール・ラッシュ博士(Paul Rusch:1897年11月25日~1979年12月12日)は、アメリカンフットボールを日本に広めた伝道師としても知られています。

「ラッシュ博士が清里に蒔いた開拓の種と挑戦の精神を、八ヶ岳南東麓に広がる雄大な自然のなかで着実に育んでいきたい」。
そう願った彼ら「萌木の村」一同が、美味しさと感動という新しいゴール(タッチダウン)を目指し、「八ヶ岳ビール タッチダウン」のブランド名を授けたというわけです。

ビール醸造所(ブルワリー)の設立にあたり、山田は小規模なブルワリーがひしめく本場ドイツへ視察に赴き、日本人の口に合うビールを生みだすためのヒントを探しました。

そこで出た答えは、10人が飲んで10人が「そこそこおいしいね」と思うビールでなく、10人のうち3人が「感動した!」と言ってくれるビール。
「万人に合わせなくても、自分が本当にうまいと感じ、誰かを感動させるビールをつくりたい」という思いとともに、理想のビールづくりに賭ける真剣勝負がはじまりました。

酵母の自然な力を引き出すことが重要だと考える山田は、「ビールは生き物。発酵中は生酵母と対話を重ねながら、ビールが自然に熟成していくのをじっくり待つ」と言います。

そこで求められるのは、経験からくる智慧と繊細な技術、そしてビールづくりを心から楽しむ姿勢です。
それらすべてを兼ね備えた山田について、独ミュンヘン工科大学で醸造を修めたドイツ人マイスターも、ブルワリー建設時にサポートで訪れた歳、「山田さんには教えることは何もない。こんな人を街は誇りに思い、大切にすべきだ」と話したそうです。

そして1997年夏に誕生した「八ヶ岳ビール タッチダウン」。
モルトの“らしさ”を最大限に活かしたコクと旨味、豊穣な香り、そして雑味のないフレーバーは、ブルワリー併設レストラン「萌木の村 ROCK」を訪れる地元の方々や観光客の方々、そして当ショップでご注文いただけるお客さまに、長らく愛されることとなります。

そして創業から20年余年の時が流れた2018年、八ヶ岳ブルワリーでは山田の夢を受け継ぐひとびとが、創業時と変わらない情熱で躍動しています。
そして「八ヶ岳ビール タッチダウン」は、2015年に「プレミアム ロック・ボック」、2017年に「ヴァイス」が、ともに国際ビアコンペで金賞を受賞。
2016年には「清里ラガー」が英国で開催された世界最大級のビアコンペでも最高賞を受賞するに至りました。

2018年6月には八ヶ岳ブルワリー併設レストラン「萌木の村ROCK」のリニューアル1周年に合わせて、“新しいタッチダウン”を象徴するような限定醸造ビール「ロックンロール・ボック」と「ケルシュ」も発表しました。

海外でのビアコンペ受賞や新たなビールの開発を経て、山田一巳がかつて夢見た「誰かを感動させるビール」は、ファンの皆さまとともに、さらなる新しいステージへ踏み出しつつあります。
これからもより多くの皆さまに感動していただけるよう、高原の小さなブルワリーで一流のビールづくりにすべての情熱を注いでいきます。

このビールは

CHORYO Craft Beerとのコラボビール

今回のコラボ仕込みは「同じHazy IPAのレシピをベースに使用する酵母を変えることでどのような違いが出るか」というテーマを設定し、「CHORYO Craft Beer」様はエール酵母、当ブルワリーはラガー酵母で醸しています。
一般的なHazy IPAの特徴であるとろみのあるマウスフィールは引き出しつつ、糖度は一般的なピルスナーの水準に抑え、 後味のべたつかないスッキリしたラガーに仕上げました。
ホップは「アイダホ7」「モトゥエカ」「ネルソンソーヴィン」の3種を使用しており、苦味をできるだけ抑えるため煮沸終了後にワールプールへの移送中にケトルへ投入したのち、発酵終期ドライホップを行いました。
小麦麦芽とオーツ麦に由来する一定のボディ感と、比較的高 めの6.5%というアルコール度数ながら、滑らかな口あたりも相まって、気温の上がる5〜6月にぴったりなドリンカビリティ溢れるIPLとなりました。
〈Brewer’s Note〉
基となるレシピは当社Lead Brewer 松尾が作成させていただき、CHORYO Craft Beer Head Brewer 樋代様に監修していただきました。
「紫霞(しか)」というネーミングは、仕込を行った4月上旬、八ヶ岳ブルワリーのある清里・萌木の村を包んでいた霞をビールのヘイジーなアピアランスを表す意味も込めて、李白の詩の一節にある「紫霞(紫雲のたなびく仙郷)」という言葉で表現したものです。
“しか” という発音は、長龍酒造様の地元奈良、そして清里高原の”鹿”にもかけています。
また、樽生等で使用されるイメージビジュアルでは、霧深い八ヶ岳の山々を悠然と飛び回るCHORYO(龍)の姿が描かれました。

テイスティング

黄金色。
柑橘、青々。
苦味程々でスッキリ。
余韻は程々。

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