紅茶で有名なルピシアが満を持して立ち上げたブルワリー。

まずはIPAから飲んでみました。

 

ビールデータ

ビール名:IPA
生産地:日本 北海道虻田郡ニセコ町羊蹄4−1
生産者:羊蹄山麓ビール(Lupicia Brewery)
アルコール:6%
IBU(苦さ 平均15~20):
モルト:
ホップ:
タイプ:IPA
価格:700円

ブリュワリー

2020年9月、北海道・ニセコ町に私たちの新しいビール工場が完成し、11月からいよいよ出荷が始まりました。
今回はそのビール工場から、新たな意欲に燃えるブルワー(醸造家)たちの声をお届けしましょう。

「ついに完成しましたね」とピカピカと輝く真新しいステンレスタンクを眩しそうに見上げるヴィラ ルピシアの植松シェフ。
構想3年。
ルピシアのビール開発プロジェクトが新たな一歩を踏み出しました。

「自分たちの手でニセコの地ビールを造ろうと思った時、まずは“地ビールとはなんぞや”というところから始まったんです」と当時を振り返る植松シェフ。
手始めに北海道内のビール工場や酒造メーカーを視察。
続いて、ビールの本場ヨーロッパへも足を運びました。

「行く先々の生産者が口を揃えて『ウチのビールはこの場所の水があってこそ』と言ったことが印象的でした。ビール造りは水が命。瞬時にニセコの雄大な羊蹄山(ようていさん)の姿と、こんこんと湧き出る伏流水(ふくりゅうすい)のイメージが頭の中に浮かびました。私たちの目指すのはニセコでしか造れないビールでした」。

この新プロジェクトの担当者を社内で募った際、真っ先に手を挙げたのが、当時、お菓子のベテラン職人だった矢吹彰子さんでした。

「挑戦してみたいという気持ちだけは人一倍強かったのですが、ビール造りに関しては素人。一から勉強です。もう一人、プロジェクトに名乗りを上げたレストランの藤峯あずささんとともに、それぞれが複数のビールメーカーへ出向き、研修させていただきました。お菓子を作ってきた経験上、配合などを組み立てることは出来たのですが、それが実際にどんな味になるのかは未知の分野。こればかりは経験を積むよりありません」と語る矢吹さん。
期待と不安が入り混じります。

そんな矢吹さんたちに頼もしいサポーターが登場しました。
醸造顧問・高浩一(たかこういち)さん。
全国各地の地ビールの開発、醸造に携わってきた地ビール造りのプロフェッショナル。国内をはじめアメリカ、イギリス、ドイツ、ベルギーなど、世界のビアコンペティションにおいて数多くの金賞を受賞するなどの輝かしい経歴をお持ちです。

「まず、この本格的な施設を拝見して驚きました。設備も動線もとても整理されています。これほど広々とした生産施設はちょっと記憶にありません」と完成したばかりの施設を絶賛する高さん。

幾度かのブームと衰退を乗り越えた日本の地ビール、クラフトビールの醸造所は2015年を境に増え始め、現在、その数は500軒に届く勢い。
その多くが小規模な「マイクロブルワリー」か、店舗の中に小さな施設を構える「ブルーパブ」だといいます。

「この醸造所はとても扱いやすい規模で、さまざまな可能性を秘めています。さらに矢吹さん、藤峯さんともに『食』に携わってきた方々ですから、普通の未経験者よりもビール開発について確実にアドバンテージがあります。ただ、お菓子とビールの一番の違いは酵母が相手だということ。酵母という“いきもの”は100パーセント思い通りにはならない。それをどうコントロールしていくのかが、僕たちブルワーの仕事なんです」。
高さんの言葉を一つ一つ、しっかりと矢吹さんは受け止めます。

「私の中ではビール造りは化学的、科学的、工学的な世界。お菓子作りとはまったく違う分野でした。自分なりに勉強し、調べ、イメージは掴みましたが、すべてはこれからの実践の中で会得していくものです。感性を研ぎ澄まして、テイスティング、仕込みのたびの変化などをしっかりと掴む。一日も早くどんなビールでも造れるようになりたい。今は高さんがいてくださって、とても安心です」と語る矢吹さん。

一方、高さんはルピシアのビール造りの未来について、こんな風に語ります。

「モルト(麦芽)が約30種類、酵母も約30種類、ホップに至っては約120種類もあるんです。これらの組み合わせは無限大。今は手探りな部分も多いですが、経験を積んで、ノウハウを身に付ければ、ビール造りも上手になります。それに“北海道で造る”というイメージが魅力的です。早く『ルピシアのビールといえばコレ!』という看板ビールを造り上げてほしい」。

「3年前に見た夢が、今、現実になりました。ニセコエリアで先行して飲んでいただいているビールもとてもご好評をいただいています。今後は種類も増えていくので『今日の料理にはルピシアのペールエール』とか『今日はスタウトの気分』とか、そんな風に地元の皆さんに親しまれたらいいなと思っています。ゆくゆくは『わが町のビール』と言っていただけるようになることが目標です」と新たな夢を語る植松シェフ。

「地ビールの基本は、やはりそこへ行かないと飲めないビールです」と高さんは言います。
羊蹄山麓の地中深くから湧き出る水、ニセコの爽やかな風や光、ニセコの自然が産んだルピシアのビール。ぜひ皆さんも味わってみてください。

このビールは

柑橘のように爽やかな品種など、個性的なホップを贅沢に組み合わせました。
一口ごとに鮮烈な香りと重厚な苦みが広がる絶品インディアペールエール。
バランスの良い重厚な苦みに重なる、心地良い後味と、豊かに広がるホップの芳香。
クラフトビールを飲む醍醐味ともいえる、ビール本来の味わいを存分にお楽しみいただけます。

テイスティング

薄濁りブラウン。
ホップの香りしっかりなIPAっぽい香り。
苦味しっかり。
余韻さっぱり。

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