ビール一つ一つに物語がある大阪では有名な西成区のブルワリー。
ドイツのスチーム・ブリューを思い出しました。
「JOJOの奇妙な冒険7部スティール・ボール・ラン」のジャイロっぽい眼鏡だなと思っていたらストーリーもちょっとJOJO混入でした。
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ビアデータ
ビール名:Transporter initial D
生産地:日本 大阪府大阪市西成区萩之茶屋2-10-2
生産者:DERAILLEUR BREW WORKS
アルコール:6%
IBU(苦さ 平均15~20):60
モルト:
ホップ:Hallertau Mittelfruh
タイプ:イングリッシュIPA
価格:453円
ブルワリー
Derailleur Brew Works(ディレイラブリューワークス)は朝から酒を楽しむ街「AREA2470=ニシナリ」にこだわり、西成ライオットエールのレシピを再現するために設立された、クラフトビール工場と企画運営チームの集合体です。
フランス語で「道を外す者=生き方を自分で選ぶ者」を意味するディレイラを冠し、常識や一本道に囚われない発想やマインドで、ビールを作り続けていくことを信念としています。
ひとつひとつのビールには、それぞれ込められた思いや背景があります。
誰が、何のために醸したのか。
どんな想いで醸したのか。
悔しかったのか、喜んで欲しかったのか。寂しさを癒やすためだったのか、または、怒りだったのかもしれません。
届けたかった、伝えたかった、思いや背景を、私たちは、ビールの味だけでなく、ラベルのデザインもすべて活用して、伝えていきたい。
人生の数だけ、物語(ストーリー)があるように。
醸されたビールの数だけ、物語がきっとある。
言葉が役に立たないときには、純粋に真摯な沈黙が、しばしば人を説得する。
だけど、沈黙だけじゃ、伝えきれない想いが溢れるのなら。そっと、物語(ストーリー)に想いを乗せればいい。
ほろ酔うみなさんのそばで、物語とともに。味わってもらえたい、ビールがここにあります。
このビールは
1990年、内気なポートランドの女子高生、エミリー・スコットは、30リットルのリュックサック一つを背負い、大阪のニシナリという町にやってきた。
スクールの人間関係に悩み、全ての関わりを避けるように不登校を続けていた彼女は、若き頃旅人だった父の勧めた、人情の街『ニシナリ』を選んだ。
自分の何 かを変えるために、自分が誰かに影響を受ける感受性があることを、そして誰かに影響を与えることのできる存在であることを確かめるために。
彼女は日常のように起こるRiot(暴動)の夜を傍観者のように眺め、翌日の朝、投げつけられ、散乱したビール瓶を一人で拾い集め、 そこに花を一輪差し、道路の隅に並べていった。
毎日、毎日。
1ヶ月を過ぎた頃、ヤマトとオオサキという2人の青年は、花を差し続ける彼女をみて、何をしているの?問いかける。
もう、争いを見るのは嫌だから、せめて武器ではなく、花を育てる器にもなるんだ、ってところを知ってもらえたらいいなあって思って。
そう答えるエミリーに、ヤマトとオオサキは笑いながら続けた。
俺たち、酒を作ってるんだ。
Transporter initial D、新バッチのリリースです!ビタリングホップを増量し、さらなるバージョンアップ!!!
今回使用しているホップ、「Hallertau Mittelfruh」は、ドイツホップの皇帝と呼ばれており、マイルドな苦みにやさしいアロマが特徴です。
ホップがもたらす品のある苦み、アロマ、麦芽由来の自然な甘みとのバランスが絶妙なイングリッシュIPAに仕上げました。
フードペアリングはフライ料理などいかがでしょうか!?大阪名物、二度付け禁止の串カツや、唐揚げもいいですね!
泥棒市(スティールマーケット・ボール・ラン)で闇売買されていた、天然忽布を手に入れたエミリー。
忽布集団(ホップヘッズ)の目を掻い潜り、運び出す手段に手を拱いていた。
彼女に声をかけたのは、運び屋(トランスポーター)を自称する、”D”という男だった。
グラスの中のビールを溢すようじゃ、運び屋なんてできないのさ。
Dの操る、エルカミーノ69年式。
計器盤面にグラスを置いて、制限撤廃された蒸気装置に、Dの右脚が、直接接続(ダイレクトドライブ)する。
一万一千回転までキッチリ回せ!!
忽布集団の索敵照明が、長い線のように伸びていった。
エミリーは手を拱いていた。
ホフピンスキと政府がひた隠しにしていた天然忽布。
2-10郭の放電爆発を人工的に誘発するためには、α値の高い天然忽布を十分量、醸造融合炉に投入することで可能。
そこまでは突き止めたのだ。
Fatboyzに所属しているエリヨが、天然忽布を忽布集団より奪取。
敢えて闇市場に投入し、時間差でエミリーが、AREA2470最大の泥棒市(スティールマーケット・ボール・ラン)にて闇買取を行う。
そこまではスムーズだったのに。
泥棒市の至るところに、私服の忽布集団が配置されていた。
このままでは、抵抗勢力(レジスタンス)まで運ぶことができない。
ひゅーっ。今日の任務(オーダー)はツイてるね。
俺を呼んだのは、この美人さんかい?
テンガロンハットの無精髭、20年ほど前には大活躍だったであろう拡張視界画面(ARグラス)をセットした男が、エミリーの前で煙草をくゆらしていた。
D!!
先導(アテンド)をお願いしていたフリアールが吃驚した声をあげる。
運搬も、その口と同じぐらい上手だったらいいんだけど!
呆れたように声を零すエミリー。
疑うも信じるも、考えるだけの時間はなかった。異変を察知した忽布集団が数名こちらに走ってくるのが見える。
乗りな!俺と天国までのドライブを楽しもうぜ。
Dの操る、エルカミーノ69年式に乗ることにする。
計器盤面にグラスを置いて、Dは胸ポケットから取り出した瓶から、なみなみとビールを注いでいく。
こいつを溢さねえように、走っていくのさ。紳士だからな。
豆腐だって壊しやしねえぜ。
制限撤廃された蒸気装置に、Dが自らの右脚を、直接接続(ダイレクトドライブ)する。
1万1000回転までキッチリ回すぜ!
エルカミーノまであと数メートルにまで接近していた忽布集団が、砂埃とともに後退りし、その隙に、Dは車を走らせる。
まずは脱出が成功したのだ。
忽布集団の索敵照明がエルカミーノを捉えようと速度を上げる。
残像が長い線のように伸びていく。
綺麗だな。エミリーは呟いてしまう。
エミリーさんよ
Dが煙草を咥えながら、話しかける。
禁煙なんですけど、この車。
フリアールが不満そうに呟く。
運び屋って稼業はさ、負けずギライなやつが多いんでサ。
出来ねえとは言いたくないし、言わねえ。
たとえ命を失うようなコトになろうともな。
誰も返事をしない、が、おかまいなくDは続ける。
だがな、他人は別だ。命を失うようなコトを進んでやるようなら、俺はそいつを止めるぜ。
エミリーさんよ
あんた、自分の命と引き換えにするつもりじゃないのかい?
エミリーは、無言で。窓から流れる景色を見ていた。
変わってねーよな。こっから見る夜景は。
AREA2470はすごい勢いで変わっていくのにな・・・
俺達はずっと、この街にいて・・・
どこも変わってねーよ。昔と・・・。
あんたがビールを醸していた、あの頃からよ。
心地よい蒸気排気の振動音を響かせながらエルカミーノは夜の静寂に消えていった。
テイスティング
粘稠度高い。
オレンジがかった黄金色。
コーヒー…酵母?枯草菌そしてコーヒーに戻るという段階的に変化。
ド田舎の畑の土みたいな少し懐かしい香りも。
苦味しっかり。
余韻長い。