季節限定のビール。

穀物的味わいがあり、農家を感じる…気がする。

 

ビアデータ

ビール名:Farm to Brew 2023
生産地:日本 山梨県
生産者:FAR YEAST BREWING
アルコール:5%
IBU(苦さ 平均15~20):23
モルト:
ホップ:コメット、スターリンホップ、ソラチエース
タイプ:ケルシュ
価格:646円

ブリュワリー

ビールは数千年前から愛飲され、世界各地で文化に根ざして発展してきました。
ところが前世紀に起こった工業化は、ビール飲料を世界中に普及させることには成功したものの、その一方でビール自体に「黄色い炭酸飲料」という画一的でモノトーンな印象を与える事になってしまいました。
その結果ビールは、造り手の哲学や創意工夫によってではなく、一つの商品に投下されるプロモーション費用の大きさが重要となってくる大量生産品になり、ワインや日本酒と比べると多様性のないお酒に成り下がってしまいました。

1970年代からじわじわと起こった「クラフトビール」というムーブメントは、モノトーン化してしまったビールをもう一度大衆の手に取り戻し、多種多様なビールを楽しむための動きとも言えます。
当社は個性あふれるビールを世界中に届けることで、ビールに多様性を取り戻し、「民主化していく」ことをミッションとして活動しています。

このビールは

■北杜市産ホップ栽培の魅力をビールを通じて発信
山梨県北杜市は、日本で初めて本格的なホップ栽培が始まった場所です。
過去には多くの栽培農家が存在しましたが、大手ビールメーカーが主に輸入ホップを使うようになり、今ではその数は激減。
ほとんどの農家が撤退してしまいました。
そんな中、小林ホップ農家の小林吉倫(よしとも)氏は北杜市に移住し、山梨のホップづくりを継承しようと2014年より栽培を始めました。

『Far Yeast Farm to Brew』は、同じ山梨の地で意欲的に活動する小林氏の取り組みを応援し、ともに北杜市産ホップの魅力を伝えていきたいという思いから誕生したビールです。
県内の生産者や企業とタッグを組んだ「山梨応援プロジェクト」シリーズとして、2021年に初醸造。以来、好評につき毎年この時期にお届けし、今年で3年目となります。

商品名の“Farm to Brew”は、「農場から食卓へ」という意味の“Farm to Table”から着想し命名。
地産地消により、輸送や倉庫管理等に伴う環境負荷を抑えたサステナブルな取り組みです。

■ 朝採れ生ホップをその日のうちに仕込む、この時期だけの特別なビール
アメリカ・ワシントン州やオレゴン州では、ブルワリーのすぐ近くにホップ畑が広がっているという環境から、ホップ収穫期にはその季節にしか飲むことができないフレッシュホップビールが多くのブルワリーで醸造されています。
日本でもこの文化を踏襲し、国産ホップを使用したフレッシュホップビールが注目されつつあります。
しかし、日本国内ではホップの栽培地が少ないため、フレッシュホップ醸造には収穫直後に乾燥・凍結させた冷凍ホップが使われることがほとんどです。

『Far Yeast Farm to Brew』は、小林ホップ農園で朝収穫した生ホップをその日のうちに仕込み釜に投入して造るフレッシュホップビールです。
収穫した瞬間から酸化がはじまり、劣化が早いと言われる繊細なホップの香気成分をどれだけ保てるのかがフレッシュホップビールの勝負どころ。
当社では、収穫から仕込み釜へと投入するまでの時間を最短にし、生ホップのアロマ・フレーバーを最大限に活かすことに挑みました。
ホップ畑と醸造所が同じ山梨県内に位置するからこそ醸造可能なプロダクトです。

毎年、ホップ収穫日には当社スタッフが早朝から北杜市の農園を訪れ、収穫作業を行っています。
収穫したホップはすぐに小菅村の醸造所へと運び、香り成分を効果的に抽出するため一つ一つ手作業で鞠花を分解する加工作業を経てビールの仕込みに使用します。
今年のホップ収穫は8月1日に行い、約40kgのホップを持ち帰り、その日の午後には仕込み釜へと投入されました。
今年も小林吉倫氏が収穫後に源流醸造所を訪れ、当社スタッフと共にホップ加工と仕込みを行いました。

■ 畑から届く生ホップの自然な香りを活かすシンプルなケルシュスタイル
畑から届いたフレッシュホップの自然な優しい香りをそのままお届けするため、普段Far Yeast Brewingでは醸造していないクラシカルでクリアなケルシュスタイルを採用しています。
ホップは、ビタリングにわずかに使用したコロンバスを除き、全て北杜市の小林ホップ農園で収穫したコメット、スターリンホップ、ソラチエースを使用。
今年は柑橘系の爽快なアロマが特徴のコメットをメインに据え、すっきりとドリンカブルかつフルーティーな味わいに仕上げました。
毎年この時期にだけ飲むことができる贅沢なビールです。

テイスティング

薄薄薄濁りレモン色。
穀物、薄くフルーティーな香り。
味わいは穀物で正に農家的。
苦味は少ない。

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