蒸留酒を醸造している千葉県のミトサヤ薬草園蒸留所が最近ワインも醸造を始め、山梨県の紫藝(しげい)醸造に醸造を委託。

アルコール9%と元々の糖分が少なめだった様子。
長命なワインではないので、入手したらすぐに飲んだ方が良い。

 

ワインデータ

ワイン名:マスカット・ベーリーA
生産地:Japan > Yamanashi
生産者:紫藝醸造 (しげいじょうぞう)
品種 Muscat Bailey A (マスカット・ベーリーA)
スタイル Red Wine

ワイナリー

社名の由来ですが、「藝」という字を辞書で調べますと以下のように説明されています。
①修練によって得た技能。学問。わざ。
②技能をともなうあそびごと。
③草木を植える。種子をまく。
ここに、ブドウやワインのイメージから「紫」という字を付け足し、「紫藝(しげい)」とすることで、 先人が培ってきた技術を大切にし、農業としてのワイン造りを大切にしたい、という意味を込めております。

ミトサヤ薬草園蒸留所

房総半島のほぼ中央に位置し、自然と歴史とが共存する町、千葉県大多喜町。
「房総の小江戸」とも呼ばれる城下町でもあり、緑豊かなこの地の広大な森の中にmitosayaはあります。

この場所にはもともと薬草に特化した公営の植物園がありました。
1987年に設立された千葉県立薬草園は、16,000㎡の敷地に約500種類の薬用植物が植えられ、さらに数百種を超える生薬標本を備え、薬用植物の正しい知識の普及を目的に運営されました。
その後、大多喜町に薬草園は譲渡された後、2015年末に一旦その役目を終え閉園しました。

一方、mitosaya代表の江口は、南ドイツの蒸留所、Stählemühle(ステーレミューレ)で蒸留家クリストフ・ケラー氏の元で蒸留技術を学びました。
2005年に設立されたステーレミューレは、2018年に閉鎖されるまで、豊かな自然環境と、クリストフ・ケラーの熱心な研究によって、伝統的なフルーツブランデー・ハーブスピリッツの世界を革新し続けてきました。
2016年に帰国した江口は、日本のフルーツや植物を原料に蒸留酒を作る場所を探し全国を回りました。

ご存知の通り、日本には南から北まで素晴らしい果物・植物の生産地があり、それぞれの個性があります。
そんな中で出会ったのが、この薬草園跡地でした。植生される植物には、漢方や生薬の材料になるようなものもあれば、香りや染料の原料になるもの、果樹や野菜もあります。
これらを原料にした蒸留酒を作るには最高の環境です。
大多喜町から薬草園跡地を借り受けた私たちは、この場所を「mitosaya 薬草園蒸留所」と名付けました。

薬草園の施設を改修し、敷地内で栽培している植物と日本全国の優れた果実などを原料に用いた蒸留酒、オー・ド・ヴィを作る蒸留所として、2018年11月に酒造免許を取得しました。

mitosayaでは、加工、醸造、蒸留といった蒸留酒作りの一連の流れを手をかけたやり方で行っています。多種多様な植物は自分たちで栽培するだけではなく、提携農家や果樹園で収穫したものや、山に入り自然のものを使うこともあります。
できるだけ自然に近いものを使うことで、より豊かな味わいが引き出せると考えています。

また、これまで蒸留酒で使われることのなかった材料を積極的に用いた蒸留酒やプロダクトづくりを行います。
全ては果物や植物の魅力を純度高く、香り豊かに引き出したいという考えから行っています。

「自然からの小さな発見を形にする」をモットーに、私達のまいた小さな種は、徐々に広がっていきました。
立ち上げ時からのパートナーである苗目をはじめ、近隣の生産者、日本全国で真摯に果樹栽培に取り組む取引先は今や数十者にもなりました。
また、自社で行うライ麦の栽培や、ハーブや薬草の栽培などには、多くのサポーターに参加してもらっています。

2019年のファーストリリース以来、これまでに100種を超える蒸留酒、季節の恵みを閉じ込めた加工品、プロダクトなどをリリースしています。
製品は限られた数ではあるものの、熱烈な支援者に支えられています。また、トップクラスの飲食店やバーでも楽しむことができます。

このワインは

山梨県の韮崎市穂坂町の横森さんのぶどう畑で収穫したマスカットべーリーA種を使い、北杜市明野町で原田さんが営む紫藝醸造にて委託醸造を行ったmitosaya初めてのワインです。
甲府盆地北西、茅ヶ岳山麓に位置する穂坂町は、標高が高く冷涼な気候のため、ぶどうの成熟が遅いので色と酸がしっかり残ると言われています。
9月の終わりに収穫した収穫したマスカットべーリーAをステンレスタンクで10日間のマセラシオンカルボニック、軽く潰し、4日間のマセレーション、搾った後に10日間主発酵の経て、4ヶ月半の樽熟成を行いました。
クランベリーなどの赤いベリー系の香りと、ローズヒップティーの様なキュっとした酸がかわいらしいテイストです。時間が経つと、タンカンなどのスモーキーさをまとった柑橘の香りやフレッシュハーブ、メース、ローリエなどの爽やかなハーブ、スパイスの香りも感じられます。
タンニンはほぼなくロゼのような造りで流れる酸が心地よい、穂坂の冷涼感を感じられるマスカットベーリーAを楽しめます。

テイスティング

巨峰ジュースのような色。
酸を想起させる自然派の香り。
自然派な味わい。
余韻短くすっきりとした味わい。

飲んだ日:2023-10-15
飲んだ場所:オアシス
価格:3,600円

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