鐘の絵が特徴的なアンジェリュス。
第1特別級A格付けの中では比較的手を出しやすいお値段でしょうか。
オーゾンヌとか高すぎて触ることもできませんからね…ヴィンテージによってはまだ購入できる値段なのでネットで安かったら購入すべき1本。
今後も指数関数的に値上がりでしょう。
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ワインデータ
ワイン名:Ch. Angélus
生産地:France > Bordeaux > Saint Émilion
生産者:Ch. Angélus (シャトー・アンジェリュス)
品種:Merlot (メルロ), Cabernet Franc (カベルネ・フラン), Cabernet Sauvignon (カベルネ・ソーヴィニヨン)
スタイル:Red Wine
ワイナリー
アンジェリュスのぶどう畑は、天然のアンフィテアトルム(円形劇場)状の丘陵の中央に位置し、取り囲むようにそびえ立つサン=テミリオンの3つの教会に守られています。
すり鉢状の土地は音が反響しやすく、朝鐘、午鐘、晩鐘の音が遠くまで響き渡ったということです。アンジェリュス・ベルの音は村やぶどう畑で働く人々の一日のリズムを刻み、女も男も鐘の音とともに仕事の手を休め、祈りのひとときを捧げたものです。
フランスの偉大な印象派画家、ジャン=フランソワ・ミレは、その名も「ランジェリュス(邦題:晩鐘)」と題された傑作の中に、アンジェリュス・ベルの祈りの時を永遠に刻みました。
この作品は現在、オルセー美術館に所蔵されています。
アンジェリュスの祈りの起源は15世紀にまで遡ります。
1456年7月21日、神聖ローマ帝国がオスマン帝国軍との戦いで勝利を期したことを神に感謝する印として、ローマ法王カリストゥス3世がキリスト教世界のすべての鐘を毎日、朝、午、夕に鳴らすようにと命じました。
この祈りには「アンジェリュス」という名が命名されました。
シャトー・アンジェリュスのラベルに描かれた鐘は、アンジェリュスという名の由来と、祈りのひとときを象徴しています。
フランス国立古文書学校出身の歴史家でカン大学区長でもあるミシェル・ド・ブアール・ド・ラフォレにより、一族の起源に関する調査が実施されました。
家系図をさかのぼると、1544年に生まれたボルドー市のジュラ(市吏員)でブルジョワ階級のジョルジュ・ブアールという人物が確認されました。
18世紀末の1782年、フランス王の近衛騎兵であったジャン・ド・ブアール・ド・ラフォレが、サン=テミリオンへ居を構えます。
娘カトリーヌ=ソフィー・ド・ブアール・ド・ラフォレは、1795年にシャルル・スフラン・ド・ラヴェルニュと結婚し、夫の所有地であるマズラのぶどう園に移り住み、生活を開始します。
20世紀初頭、モーリス・ド・ブアール・ド・ラフォレがこの土地を相続しました。
土地拡張を続ける中、1920年になると、アンジェリュスと名付けられた3ヘクタールの囲い地を購入します。
やがて1945年になると、この地は息子たちに受け継がれます。
ジャックとクリスティアン・ド・ブアール・ド・ラフォレは、父が祖先から引き継いできたワイン醸造の家業を受け継ぎます。
1954年、シャトーはグラン・クリュの格付けを受けます。その後も継続された土地拡張の結果、1985年には20ヘクタールを超える広さにまで成長します。
この年、ジャックの息子ユベール・ド・ブアール・ド・ラフォレが事業を引き継ぎ、1987年に従兄弟のジャン・ベルナール・グルニエ(クリスティアンの娘婿)が、さらには2012年に娘ステファニー・ド・ブアール=リヴォアルが経営に加わりました。
従兄弟のティエリー・グルニエ・ド・ブアールとともに、アンジェリュスのゼネラルディレクターに就任したステファニー・ド・ブアール=リヴォアルですが、二人ともブアール・ラ・フォレ家の8代目として、未来のアンジェリュスを代表してゆきます。
女性トップとしては、1800年のカトリーヌ・ソフィー・ド・ブアール・ド・ラフォレ、そして1900年のウジェニー・シャトゥネに続き3人目となり、生まれ育ったシャトーを統率します。ステファニー・ド・ブアール=リヴォアルにとってアンジェリュスとは、彼女の血肉そのものであると言っても過言ではありません。
この地で生きてきたステファニー・ド・ブアール=リヴォアルは、彼女に必要なブレない勇気や決意もこの地から培っています。
アンジェリュスに愛情深く育まれ、精神的な支えを得るステファニー・ド・ブアール=リヴォアルは、自分自身をシャトーのエコシステムを形成する要素のひとつであると認識しています。
2012年に託された任務の重要性と課された責任を認識しているステファニー・ド・ブアール=リヴォアルですが、一族をこのシャトーにつなぎ留める歴史を当初から支え、一族を導いて来た本質的な価値感である「完璧さ」「勤労」「謙虚さ」「使命感」に則した行動を心がけてきました。
これから先、ステファニー・ド・ブアール=リヴォアルは、従兄弟であるティエリー・グルニエ・ド・ブアールとともに、卓越と永遠性という言葉に集約されるアンジェリュスの名が時代の流れのなかで光を放ち続けるよう、アンジェリュスの栄光に仕えることだけを唯一の目標として、祖先から祖父、そして父より引き継いだ仕事を未来へと繋げていきます。
このワインは
2006年は年は早いスタートを切った後、8月と9月初旬の天候がブドウの成熟を遅らせ、フレッシュさを引き出し、長期熟成を保証した。
ブドウの健康状態と成熟度が完璧であったため、正確な作業を行うことができた。
ワインは濃密で、美しい果実のアロマとデリケートなトースト香がある。
力強く、調和がとれていて、エレガントでフレッシュ。
収穫:9月19日~9月29日
ブレンド:メルロー62%、カベルネ・フラン38
熟成ポテンシャル:2020~2035年
テイスティング
紫色がかったルビー色。
濃厚な香り。
ベリー系のフルーツケーキの様な甘い香りと、コーヒーのローストした香り、杉。
かなりパワフルな印象だが、タンニンはすでに滑らかになっており、ミネラルとのバランスも良い。
飲んだ日:2012
飲んだ場所:伊勢丹梅田(閉店)
価格:26,000円(当時)
インポーター:ピーロートジャパン