いわゆる神の手と言われているアンリ・ジャイエ。

ブルゴーニュ・ルージュは特に珍しく、NYのオークションで2本だけ入手できたものを飲むことができました。
熟成が進み、かなり期待できます。

びっくりするくらい市場に出回らないブルゴーニュ・ルージュ。
あまりにも偽物が多く、Vinicaというアプリで登録されているジャイエも蝋キャップだったり、偽のラベルだったりといくつかは明らかに偽物です。
一時期ヤフオクで1993年の蝋キャップのパストゥグランがかなり多く売りに出され、それを騙されて4万程度で購入してしまった方も多いのではないでしょうか(出品業者は現在はアカウントを消しています)。
1986年のこのワインでさえリコルクの必要性など皆無だったのに、比較的新しい1993年でリコルクなどは考えられません。
クロ・パラントゥも同一の出品者がお粗末なモノを何度も出品し、売り切れているのを目撃しました。
飲んだ方々もその気で飲んで美味しかったと思えば、win-winの関係ではありますが…詐欺は良くない。

ワインデータ

ワイン名:Bourgogne Rouge
生産地:France > Bourgogne
生産者:Henri Jayer (アンリ・ジャイエ)
品種:Pinot Noir (ピノ・ノワール)
スタイル:Red wine

ワイナリー

アンリ・ジャイエ(1922年-2006年9月20日)は、ブルゴーニュワイン造りに重要な革命を導入したと言われています。
彼は特にピノ・ノワールの品質の高さで知られていました。
ジャイエはヴォーヌ・ロマネで生まれ、1940年代にディジョン大学で学芸学の学位を取得しました。
エシェゾーとボーモンのブドウ園を含む7.4エーカー(3.0ha)を継承し、1950年代に自身のラベルでワインを生産し始めました。
アンリ・ジャイエのワインは現在、絶大な人気を誇っており、バランスと優雅さ、そして魅力で知られています。 1本のボトルが数千ドルで売られています。

ジャイエはブドウ園で化学物質を大量に使用することに反対し、雑草を防除するための耕作を主張した。
彼は、低収量が本当に素晴らしいワインの基礎になると信じ、ワインをろ過することを拒否したことで知られていました。
ブルゴーニュの他の栽培者の習慣とは対照的に、未熟な茎を除梗することで知られていました。
茎を使用すると、より緑色で苦いキャラクターのタンニンを加えるという副作用があります。
彼はまた、約10℃の温度で1〜4日間自然発酵を避ける低温浸漬(低温マセレーション)と呼ばれる新しい技術を発明した。
この方法はより複雑な香り、色、タンニンを抽出し、より多くの複雑な香りをワインに加えることを目指しています。

彼は有名なワインで、リシュブールに並ぶとも言われているヴォーヌ・ロマネの非常に小さなブドウ畑(1.01haのみ)クロ・パラントゥーがあります。
当時のこのぶどう畑は評判が悪く、あまりにも多くの手がかかるとみなされ価値がありませんでした。
土壌は、粘土石灰岩の非常に薄い層が岩の基本層に居座っていました。
土壌は非常に貧しく、それは非常に岩が多く寒い土地でした。
ジャイエは早期にこれらの条件がワインへの非常に良好な自然と新鮮な酸度を補うことを理解しました。
ブドウ畑を所有していたマダム ノワロ・カミュゼと協力して、1945年の戦争の後に彼はブドウ園の世話を開始しました。
そのために、収穫の半分を自分自身で維持することが提案され、ブルゴーニュの習慣がそうであるように、彼はカミュゼ家のこのブドウ畑を何年もかけて購入し、1978年には品質が維持できると確信して最初の100%クロ・パラントゥーを生産することに決めました。

ジェイエは、すべてのワインを限られた量(1年に約3,500本)作りました。
今日、あなたが2001年のシングルボトル(彼の最後のヴィンテージ)クロ・パラントゥーを買おうとするならば約$8,300を支払うでしょう。

1996年、フランス政府は、引退するか年金を失効させなければならないとジャイエに通達。
これに応えて、彼は甥のエマニュエル・ルジェにブドウ畑を譲りましたが、2002年までルジェの名前で瓶詰めされたワインの半分は依然として責任者を務めていました。
彼の最後のヴィンテージは2001年で、84歳でフランスのディジョンで前立腺がんで亡くなった。

テイスティング

このワインは美しいレンガ色を帯びた赤色をしています。
縁にはわずかに茶色がかっており、長い年月を経た風格を感じさせます。
グラスに注がれたその姿は視覚的な喜びを提供します。
まず、日本人として感じるダシの香り、その後すぐに熟したイチゴやチェリーのフレッシュで果実味豊かな香りが広がります。
さらに、バラの花びらやミネラルの香りが加わり、香りの奥行きを深めます。
また、レザーやシガーのニュアンスがほのかに感じられ、これがワインの成熟度を感じさせるアクセントとなっています。
ブルゴーニュ特有の繊細で複雑な香りが楽しめる点も、このワインの大きな特徴です。
このワインはミディアムボディで、滑らかなベルベットのようなタンニンが口当たりを非常に心地よくしています。
酸味のバランスが絶妙で、全体のフレーバーを引き立てています。
口に含むと、熟したカシスの豊かな味わいが広がり、長く続く余韻が楽しめます。
また、熟成されたピノ・ノワールの旨みが感じられ、他のワインとは一線を画す特別な味わいが特徴です。
ブルゴーニュ・ルージュの中でも手を抜かないクオリティの高さが感じられ、年代を経たワインならではの深みと複雑さが楽しめます。
このワインは、色、香り、味わいのすべてにおいて非常にバランスが取れており、その成熟度と深みが際立っています。
特に、熟した果実の香りやレザー、シガーのニュアンスが、ワインの豊かな歴史と品質の高さを物語っています。
特別なディナーや大切な瞬間をさらに彩る一本。
このワインは、その複雑さと奥行きのある味わいで、ワイン愛好者を魅了すること間違いありません。

年代物なのにとんでもなく美味しい。
地方名とかそういうレベルではなかった。
いわゆるジャイエ香がバッチリ。
年を経たピノのようなダシっぽい香りなんですが、他のワインとは全然違う。
ブルゴーニュ・ルージュでも手を抜いていなかったというのがわかります。

飲んだ日:2015-07-17
飲んだ場所:堺筋倶楽部 リストワール
買った日:2015
価格:150,000円
インポーター:Wine Cellars LTD

One thought on “飲んだワイン アンリ・ジャイエ/ブルゴーニュ・ルージュ1986 10点”

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