飲んだワイン シャトー・マルゴー/マルゴー・デュ・シャトー・マルゴー2017 7点
サードでも25,000円くらいとかなりのお値段。
酸味がやや強めの味わい。

|
|
ワインデータ
ワイン名:Margaux du Ch. Margaux
生産地:France > Bordeaux > Haut Médoc > Margaux
生産者:Ch. Margaux (シャトー・マルゴー)
品種:Cabernet Sauvignon (カベルネ・ソーヴィニヨン), Merlot (メルロ)
スタイル:Red Wine
ワイナリー
シャトー・マルゴーが歴史上最初に文献に登場するのは12世紀のことである。
当時は「ラ・モット・ド・マルゴー」の名で呼ばれていた農園であった。
アキテーヌは百年戦争終了時までイングランド王領であり、獅子心王リチャード1世はボルドーワインを日々の飲用に取り入れた。
この時代にシャトー・マルゴーは数々の貴族の所有となったが、1570年代にピエール・ド・レストナックという貴族が所有者となったことが一つの転機となった。
メドックがワインの産地として発展すると予測したド・レストナックは、1572年から1582年の間にシャトーの穀物畑を縮小してブドウ畑を増やし、ワインの生産に力を入れ現在のシャトーの礎を築いた。
18世紀初めまでにシャトーの敷地は現在と近い広さにまで拡大した。
18世紀はワインの醸造技術が大きく進歩し、現代の製品に近い、濃厚で複雑な味わいを持ち、長年の熟成にも耐えるワインが誕生した時代であった。
シャトー・マルゴーでもブドウの収穫や土壌の改良に革新的な技術が導入された。
そしてルイ15世の治世、愛妾ポンパドゥール夫人がシャトー・ラフィットを宮廷に持ち込むと、その次の愛妾デュ・バリー夫人はシャトー・マルゴーを宮廷に持ち込み愛飲したのである。
18世紀末期、シャトーは大富豪ジョゼフ・ド・フュメルと娘のマリー・ルイーズの所有となったが、この親子はフランス革命のあおりを受けてギロチンにかけられ、シャトーは革命政府に没収された。
1801年、シャトーはド・ラ・コロニラ侯爵の手に渡った。
ド・ラ・コロニラは当時一流の建築家ルイ・コンブに依頼し、エチケットの絵柄ともなっている壮麗なギリシア神殿風のシャトーの建物を1815年に完成させた。
19世紀半ばのフランス第二帝政の時代にシャトーの所有者となったのは、皇后ウジェニーの侍女も務めたスコットランド人女性エミリー・マクドネルであった。
1855年のパリ万国博覧会の際に皇帝ナポレオン3世の指示でメドックのワインの格付けが実施されたとき、シャトー・マルゴーはブラインドテイスティングで唯一20/20点を獲得し、シャトー・ラフィット、シャトー・ラトゥールに次ぐ第1級第3位にランクされた。
第二帝政の時代、蒸気船や鉄道といった輸送手段の発達、自由貿易体制の確立、イギリスにおける需要拡大などの要因により、ボルドーワインは黄金時代を迎えた。
だがエミリー・マクドネルはナポレオン3世の失脚により、ウジェニーと共にイギリスへ亡命した。
1934年、シャトーはボルドーのネゴシアンであるジネステ家の所有となった。
ジネステ家はセカンドラベルを導入したり、ブドウ畑を拡大したり、醸造設備への投資にも熱心に取り組んだ。
しかしシャトー・マルゴーは1960年代から1970年代にかけて一時期その名声を落としてしまう。
そしてジネステ家は1973年から1974年の「ワインの大暴落」の際に大きな損失を出した。
1976年にジネステ家からシャトーを買い取ったのはギリシャ人アンドレ・メンツェロプーロスであった。
彼は各国での事業で財を成し、フランス人女性を夫人としてフランスでもスーパーマーケット「フェリックス・ポタン」を買収した実業家であった。
ボルドー大学の醸造学者エミール・ペイノーを技術顧問に迎え、シャトー・マルゴーの名声を取り戻していった。
1980年に亡くなり、2006年現在、シャトーは娘のコリーヌ夫妻と総支配人ポール・ポンタリエの手によって運営されている。

このワインは
シャトー・マルゴーにとって、卓越性は常にワイン造りの鍵となる理念でした。
17世紀にはすでにこのこだわりが、2番目のワインの誕生へとつながりました。
当初は「シャトー・マルゴー 2番目のワイン」と名付けられましたが、1908年に「パヴィヨン・ルージュ・ド・シャトー・マルゴー」となりました。
時を経るごとに、精密さを追求する姿勢がより強まり、選別はますます厳格になりました。
この高まる要求が、パヴィヨン・ルージュの品質向上をもたらし、その結果、当時は樽詰めされずバルク販売されていた3番目のワインの品質向上にもつながりました。
2009年のヴィンテージは、並外れた品質を誇り、転機となりました。
この3番目のワインはバルク販売されるのではなく、パヴィヨン・ルージュと同じように樽熟成が施され、瓶詰めされることになりました。
こうして誕生したのが「マルゴー・デュ・シャトー・マルゴー」、シャトーの3番目の赤ワインであり、自社畑のブドウのみを使用しています。
より親しみやすいワインとして、ワイン愛好家や新しい世代にシャトー・マルゴーの世界への入り口を提供し、そのテロワールのエレガンスと繊細さを表現しています。
生産量が限られているため、「マルゴー・デュ・シャトー・マルゴー」は厳選されたレストランや一部のワインショップのみで取り扱われています。
シャトー・マルゴーは2023年、「マルゴー・デュ・シャトー・マルゴー 2017年」の販売を決定いたしました。
飲み心地の良さが印象的な、美味しさ際立つワインです。現時点では2016年よりも飲み頃です。
柔和な味わい、瑞々しさ、そして優れたバランス。
フローラルな香りや赤系果実のノートが広がり、味わいには凝縮感と同時に絹のようななめらかさがあります。
上品な粘性を含み、タンニンのストラクチャーを調和良く整えています。
今すぐにでも美味しくお飲みいただけますが、まだ若いヴィンテージなので熟成後も楽しみです。
気象条件
2016年は相対的に乾燥した状況で推移しましたが、2017年の最初の数ヶ月は十分な降雨量の恩恵を受け、地下水が安定しました。
冬季は比較的暖冬と言えるコンディションでした。
ブドウは4月4日あたりから出芽し、その後の春季の気温についてはさほど深刻に捉えていなかったのですが、4月27日と28日の夜間に霜の被害に見舞われた際には、私達のテロワールが何よりもまず気候条件に左右されるという現実に改めて直面しました。
ただし立地条件が良かったため、私達の所有する区画内での霜害箇所は幸い全体の10%程度にとどまり、それは赤ワインを造る区画のみでした。
2017年のブドウの生育状況については、6月の最終週のみ降雨量が非常に多かったのですが、開花はすでに5月25日から30日にかけて済んでおり、その時期は効率的で均質な受粉に適したコンディションに恵まれました。
2017年の7月と8月の気候は前年同様、暑く非常に乾燥していました。
しかしながら、白ブドウの収穫が終わった直後、9月上旬に雨に見舞われ、2015年、2016年、2017年と類い稀な3年連続のビッグ・ヴィンテージになる予想は外れる結果となってしまいました。
収穫の際には、重大な決断を下すことになりました。
ボトリチスの被害に遭う前に完熟度を満たさないブドウを収穫するか、それとも9月末に向けての天候の回復を見込んで、高い完熟度に達した凝縮感に富むブドウを収穫するか・・・
高品質を追求する私達の方針に従い、また天候状況が回復するという予報を信じて後者の選択肢を選んだ結果、例外的な好天の下、9月12日から10月3日にかけて黒ブドウの収穫を無事に行うことができました。
テイスティング
外観は黒に近いダークガーネットで、深みと落ち着きを感じさせる色調。
ブラックベリーやカシス、ブルーベリーといった黒系果実を軸に、オーク由来のバニラやタバコ、ほのかに土や針葉樹、杉を思わせる枯れたニュアンスが重なり、静かに広がる奥行きがある。
黒胡椒のスパイス感もアクセントとして感じられる。
味わいはエレガントで洗練されており、タンニンは非常にスムースで柔らかく、口当たりはしなやか。
酸味はやや強め。
ビターな旨味とキリッとした酸のバランスが心地よい。
余韻は長く、黒系果実、樽香、スパイス、土っぽさが静かに折り重なりながら持続する。
飲んだ日:2026-01-01
飲んだ場所:忍者屋敷
価格:25,000円
インポーター:ファインズ