飲んだワイン 旭洋酒(ソレイユワイン)/カジ・ペティヤン2024 6点

最終更新日

久し振りに飲んだワイナリー。

グレープジュースのような甘さが好みではなかった…

 

ワインデータ

ワイン名:Quasi Petilliant de Pinot Noir Rose
生産地:Japan > Yamanashi
生産者:ソレイユワイン (旭洋酒有限会社)
品種:Pinot Noir (ピノ・ノワール)
スタイル:Rose Wine

ワイナリー

旭洋酒ソレイユワインは山梨市の住宅街にひっそりと佇むスタッフ3人だけのワイナリーです。
原料となるのは、1haに満たない自社畑と、ワイナリーから半径5km圏内の地元農家のブドウのみ。
栽培醸造家であるオーナー夫婦が目の届く範囲で、信頼できる農家の手掛けたブドウだけを丁寧に醸造しています。
自社畑では低肥料草生栽培でバランスのとれた樹勢を保ち、熟度によって収穫時期を分けるきめ細かい作業で、ワインに滋味を与える凝縮したブドウを収穫しています。

このワインは

山梨市岩手地区 自社畑産ピノ・ノワール100%
辛口微々発泡
瓶詰本数50本

2024年のピノ・ノワールは赤ワインになれなかった房が多く、ロゼにも入れてもらえなかった、やさぐれ落ちこぼれ集団が出現しました。
それ以上熟す気が全くない彼らをとりあえず収穫して、自然発酵で3日間醸して水圧式小型圧搾機でプレス、醗酵終了直後にとりあえず一升瓶に詰めておきました。
旭洋酒は新酒を出さないので、11月上旬にあったワインツーリズムというイベントで「ふるまい新酒、手酌でどうぞ!」とドカンと置いておいたのは予想以上に好評でしたが、その後の行き先は決まらないまま忘れかけていたところ、、

工藤冬里さんの葡萄釉ゴブレットの出来がすばらしいので、今年こそちゃんと売ろうと販売準備にとりかかった時にハッとしました。この器にはあの「じゅわっとした、もやピンクの醗酵ブツ」の雰囲気がピッタリではないかと。
そこで、とりあえず一升瓶からチューブで720mlボトルに詰め替える事にしたのですが、、

滓の量がまちまちで、多いものはガスが強すぎて半分も吸うと巻き上がってしまって2本もとれない。
その様ときたら怒った蛸が海底で墨を吐いてみるみるうちにモクモクとか、ヴォルケーノのヴィデオアートに使えそうな感じでした(録ってる余裕は全くなかったですが)

因みに、濁っている方がウケがいい事は知っていますが、そういうものを目指す気は毛頭なく、だからうちには王冠打栓機も耐圧瓶もありませんので、滓はなるべく入れないように二人で必死でやりました。
かの器は12個しかないのですから、その4倍以上もとれただけで上出来です。

ラベルは工藤さんがもうすぐ加西市のVoidでやる個展 “mauve du jour”のために制作した作品から。
油彩画家だったお祖父さんの残した描きかけのカンヴァスの上に、自分の色であるモーヴの幅広い色相を展開するという、またまた意味深なコンセプトです。
題字はこのワインへの責任をとって私が書きました。

つまり、元々行くあてのなかった落ちこぼれブドウへの未練がましい愛情と、もったいない精神と、少しの冒険心で出来上がったワインです。
マリアージュなど気にせずに、お正月の余興のひとつにでも楽しんでいただければ幸いです。

それにしても、ピノはここまで暑くなると本当に厳しいので植え替えを進めているところです。
一つの畑の中に色んな品種がごちゃごちゃしてきて、頭の中もいよいよ塗りたくったカンヴァスのように混沌としてきましたが、私たちのワインを美味しいと飲んで下さる方のためにも何とか切り抜けていこうと思っています。
将来この畑でどんな画が描かれるのでしょうか。

テイスティング

や淡めのルビーレッドが広がり、透明感のある輝きが美しく映えます。
ワインの持つフレッシュさが色合いにも表れており、優雅な印象を与えます。
ゆっくりと揺らすと、微細な泡がグラスの縁にそっと立ち上がり、軽やかで心地よい微発泡の個性を感じさせます。
香りはフレッシュな果実のアロマが中心。
木苺やラズベリーのような赤系果実の甘酸っぱいニュアンスが広がり、華やかな印象をもたらします。
さらに、繊細な旨みを思わせるニュアンスがあり、ワインに奥行きを与えています。
口に含むと、微発泡ならではの軽やかさが感じられ、フレッシュな果実味が広がります。
甘みはやや強く、飲みやすさを引き立てながら、バランスの取れたわずかな酸がワイン全体を引き締めています。
赤系果実のジューシーな風味に、ほどよい旨みが溶け込み、飲み終えた後も心地よい余韻が続きます。

飲んだ日:2025-02-28
飲んだ場所:オアシス
価格:2,200円

wineninja

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