飲んだワイン セブンシダーズワイナリー/甲州樽発酵2023 7点

最終更新日

元フジッコワイナリーの鷹野ひろ子氏が12の農家から仕入れたブドウを醸造しているワイナリー。

ワイナリーで直接購入したワインだそうです。

 

ワインデータ

ワイン名:Koshu Barrel Fermented
生産地:Japan > Yamanashi
生産者:7c | seven cedars winery (セブンシダーズワイナリー)
品種:Koshu (甲州)
スタイル:White Wine

ワイナリー

富士河口湖町には、「その昔、富士の噴火を鎮めるために建てられた」と言われている“河口浅間(あさま)神社”が河口北岸エリアにあります。
“河口浅間神社”は古くからこの河口という土地を守り、地域に根ざした親しみある存在として、この地に住む人々を守ってくれているという安心感を与える続けている神社でもあります。

本ワイナリーはそんな地域にとって大切な存在である“河口浅間神社”と同じように、「地域に根ざし、この地の人々に親しまれる」施設にしていきたいという願いと、この地を守り続けてきて下さったことへの敬意を評し、この地ならでは縁(ゆかり)を名に冠しました。
その名を「7c|seven cedars winery(セブンシダーズワイナリー)」とし、“河口浅間神社”に1200年ほど前から立ち続け、この地の深くに根をはる巨木「七本の千年杉(御神木)」に由来します。

新たにこの土地に生まれ、地域に根ざし、葡萄畑とともに育っていく小さなワイナリーを、あたたかく見守っていっていただければと思っています。

ワイナリーのロゴには、日本一の富士山のシルエットと河口浅間神社にある七本の千年杉をイメージしたシャープな複数の縦ラインで組み合わせられています。
この縦ラインは神社境内における七本の千年杉のレイアウトを表しつつも、天から降り注ぐ光や、恵みの雨をも表現しています。

ロゴの制作は、グローバルとローカルの融合的視点を軸としたブランドストラテジーからアートディレクション、デザイン、そして、建築やインテリア、ランドスケープまで包括的なブランドデザインコンサルティングを行う、artless inc.のCEO川上シュン氏が手がけており、ワイナリー建屋の基本デザインからワインのパッケージデザインまでトータルブランディングも行っています。

ワイン造りは、「風土の表現」「葡萄の表現」「栽培者・造り手の表現」を志すものです。そんな中で「7c|seven cedars winery」は特に葡萄栽培者に光を当てたワインづくりを目指します。

葡萄栽培者、地域・農地を守る取り組み、販売者そして造り手チーム、数々の縁や想いが繋がってかたちになった、かつてないワイナリーです。

ひとりひとりの葡萄栽培者の特徴を活かし、農家を“まるごと”ワインにするというコンセプトの元、農家をよく知り、栽培者の葡萄を見続けてきた醸造チームで新しいワイナリーのかたちをつくっていきます。

■農家を“まるごと”ワインにする独自の取り組み
「7c|seven cedars winery」は“12の農家”と“醸造家:鷹野ひろ子氏”との醸造チームで動き出します。
そんな“12の農家”とつくり出す、農家を“まるごと”ワインにする為の独自の取り組みは以下、3点です。

【見る】葡萄をきちんと見る
葡萄の状態を細かく見極めることを大切にし、その葡萄の個性をきちんと見ることから始まります。
収穫前には成分分析も行いながら、適切な収穫時期を見極めます。
さらに葡萄及び、葡萄栽培者にフォーカスした小仕込み(小タンク仕込み、小樽仕込み)でのワイン造りを行います。
これは葡萄の個性を活かす独創性のある新たな取り組みです。

【つかむ】葡萄の良さを引き立てて活かす、つかむ努力
葡萄栽培の過程で、各圃場の栽培者と会話を重ね、時には醸造家自身が栽培の手伝いをしながら関係性を深めていく中で、「圃場の土質」「どういった気候・風土の立地か」「各栽培者の特徴は何か」を深く理解し、葡萄栽培者とともに品質向上を目指した取り組みを積極的に行います。
どうしたら葡萄ごと、農家ごとの個性が活きるかを考え、深く知ることのできるよう「つかむ努力」を続けます。

【見出す】ふさわしい造り方を見出す
醸造側の合理化を最小限に留め、葡萄栽培者ごとにワイン製法を微調整します。
その年、時々異なる「葡萄栽培者1人1人」の強みや個性を十分に表現する醸造を試みます。

今回、共にワイナリーをつくる“12の農家”は、これまで醸造家がずっと見続けてきた葡萄農家です。
葡萄栽培者ごとに異なる葡萄の味わい・性質を十分に理解しているからこそ、農家をまるごとワインにする新たな取り組みの実現が可能になります。
また、小さなワイナリーだからこそ、もう一歩踏み込み、深く観察することができます。
事前に醸造チームが葡萄に対して多くの情報を持つことで、醸造家と葡萄栽培者との共創的な関わりが期待できます。

このワインは

甲州種葡萄は、様々な醸造スタイルに適応します。
その魅力の一つに、樽との相性の良さがあります。このワインは、甲州種葡萄の中から樽発酵・樽熟成に適すると思われる品質のものを選び、醸造しました。
果実と樽の風味のバランスに留意しつつ、甲州種葡萄の樽発酵タイプを十分楽しんで頂けるよう、樽の中でゆっくりと発酵・熟成させました。

ワインの種類:白
味わい:辛口
容量:750ml
価格:オープン
生産本数:4,110本
品種:甲州種 100%
栽培地:山梨県甲州市勝沼町 山梨県笛吹市一宮町
収穫日:2023/9.20〜25
発酵/熟成槽:バリック樽
熟成期間:樽熟成5ヶ月
アルコール度数:12%
総酸度:6.9g/L
適温温度:16℃

原料葡萄について
樽負けしないよう、葡萄品質において糖度・酸度がしっかりと存在し、そのバランスの良さを感じる葡萄を樽発酵の原料として使用しました。

製法について
樽発酵の期間は72日間、樽熟成の期間は3ヶ月としました。新樽の比率は全体の13%で、樽熟成中はバトナージュと呼ばれる、滓を攪拌して絡める作業を実施しました。滓下げ剤は使わず、酒石酸塩の処理をせず、粗濾過をしてボトリングしました。

テイスティングコメント
はっさくの様な和柑の爽やかさとグレープフルーツの様な華やかさを合わせ持つ香りがあり、樽からくるトーストの印象、またアーモンドやモカクリームのような印象も同時に感じられます。口中には果実の風味と樽のトースティな風味が同程度に感じられ、また、酸はしっかりありつつも、まろやかになっています。

2022年ヴィンテージと比較してボリューム感がありますが、最初の頃は樽感がやや硬く強めに感じられるかもしれませんので、瓶熟成をして果実味と樽感を少し馴染ませてからお飲みになるのもよいでしょう。
白ワインとしての強さがあるので、うまみ成分の多い食材やお料理に合います。

ワインに合う料理
うなぎの白焼き(ワサビと共に)/うなぎのかば焼き/鳥皮のカリカリソテー柚子胡椒風味/魚のあら汁/いわしの生姜甘辛煮/砂肝のニンニクポン酢/和牛ロースト(塩わさび)

テイスティング

ほんのりと緑がかった淡いゴールドが輝きを放ち、透明感のある美しい外観を見せます。
若々しさとともに熟成の可能性を秘めた表情を持っています。
細やかな気泡がグラスの内側をゆっくりと昇っていく様子が見られ、あけたては軽やかで心地よい微発泡のテクスチャーを感じさせます。
香りは非常に洗練され、奥ゆかしくクリーンな印象です。
柚子やかぼす、レモンといった和柑橘の爽やかさが広がり、そこに青リンゴや洋梨、パイナップルといった果実の要素が重なります。
甘やかな樽の香りが上品に溶け込み、ヴァニラやバターのような滑らかなニュアンスをもたらしています。
加えて、ほのかに綿菓子のような優しい甘さや、スパイスの繊細な香りが感じられ、全体にふくよかさと奥行きを与えています。
樽の香りは控えめながらも存在感があり、果実の豊かさを引き立てながら見事なバランスを保っています。
口に含むと、アタックは穏やかでありながらも、じんわりと広がる果実感が印象的です。
青リンゴや洋梨のフレッシュな風味に加え、柑橘の爽やかさがしっかりと感じられます。
高めの酸が口の中を引き締め、心地よいミネラル感が長い余韻へと導きます。
微発泡の繊細な泡が舌の上で優しく弾け、フレッシュな果実味と絶妙に調和しています。
甘みは控えめながらも、果実の自然な甘やかさが感じられ、苦味や酸味とともに絶妙なバランスを構築しています。
樽の要素が上品に溶け込み、全体の構成をより一層豊かにしています。
余韻には、果実のピュアな味わいと樽由来のまろやかさが長く残り、次の一口を誘います。

飲んだ日:2025-02-17
飲んだ場所:ピザバーナポリ
価格:3,500円

wineninja

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