2021年から山梨県南アルプス市でスタートしたコヘヴィンヤード(Kohe Vineyard)のブドウを同じ市内のドメーヌ・ヒデで醸造したワイン。

自然派…ですなあ…
個人的には山梨では珍しいシュナン・ブランを栽培しているので、ニコラ・ジョリーの様な馬小屋感の無い衝撃的に美味しい自然派シュナン・ブランも自家醸造で作って欲しい。

 

ワインデータ

ワイン名:Heart of the Matter
生産地:Japan > Yamanashi
生産者:Kohe Vineyard (コヘヴィンヤード)
品種:Chenin Blanc (シュナン・ブラン), Shine Muscat (シャイン・マスカット)
スタイル:White Wine

ワイナリー

kohevineyard(コヘヴィンヤード)は2021年からスタートした山梨県南アルプス市にあるぶどう園です。

圃場はの大きさは生食用ぶどう20a、醸造用ぶどう60a。醸造用ぶどうを植えているぶどう園としてはまだ1haにも満たない小さなぶどう園ですが、無理の無いようやっていければと思っています。

ぶどうをワインにする場合、原料のぶどうで8割品質が決まると言われています。私が好きなナチュールはそれ以上にぶどうの品質はもちろん個性が大事だと思っています。だからこそ、より良いものを求め試行錯誤していきたいと思っております。

「農作物としてのワイン」これがkohevineyardのテーマになっています。

すべてにおいておいしいものをつくる際、基本のことが出来ていないとアレンジなんて出来ないと思っています。
その基本ができた上で自分で試行錯誤を繰り返し必要ないものを削っていった先に最高の調和があるんじゃないかなと思っています。
個性のあるぶどう達が無事育つ手助けができれば最高だと思っています。

主要品種は現在シュナンブラン。
他にプティマンサン、ルーサンヌ、ゲヴェルツ、ガメイ、メルロー、カベルネフラン、ピノグリ、MBA、甲州。
生食用でシャインマスカット植えています。

まず、南アルプスでせっかく醸造用ぶどうを造るならこの地域で実績のないヴェニフェラ種を植えてチャレンジしようと思いました。
ワインにすると考えた時、補糖、補酸はまず考えていなくて、早摘みも考えていない。
比較的温暖な南アルプスでぶどうが完熟した時、糖度は上がるけれども酸が残るぶどうじゃないと駄目だと思っていました。
その中で「自分が飲む。」となった時、1番飲みたいと思う品種がシュナンブランでした。

もう1点。南アルプスは昔セミヨンも栽培されていて貴腐ワインが造られていたからです。
シュナンブランもセミヨンと同様に皮の薄いぶどうで、裂果は激しいものの、貴腐のつきやすいぶどうです。
貴腐ワインを造りたいわけではありませんが、様々な条件のぶどうが育つことによってより個性を持ったものが出来ると考えています。

私は畑の中の環境を整えてあげることによって様々な酵母が増えより多様な畑の環境がワインに現れると考えています。
実際1年の内、ある時期から化学合成農薬の殺菌剤を散布するとワインの仕込みの時、培養酵母を添加しないと発酵がダブついてしまうイメージを持っています。
なのでわざわざ化学合成農薬の殺菌剤や殺虫剤、除草剤を撒いてそれを消すのはしないようにしようと思っています。
ただ、農薬はその字の通り薬です。様々な環境で病気が蔓延し、環境が悪化するような状況よりは、農薬を使用して畑やぶどうの健康を優 先することの方が大事だと思っています。
自分は無農薬でつくりたい。
草刈りをしない。
とか自分のエゴだけで環境が悪化してしまうことは避けなければなりません。
その上で出来るだけ自然に環境を整えることが出来るよう日々観察してぶどうが育つ手助けができればと思っています。

ヴァンナチュールと呼ばれるものが私は好きです。
個性があっていつまでも飲んでいたい、料理を引き立たせてくれるのに「味のある水」のような、造り込まれていないけど引き込まれるもの。
それがこのナチュールの真髄だと思っています。

イヴォンメトラの様な艶っぽさなんて出せないかも知れないし、フランソワサンロの様な奥行きは出ないかも知れない。
ジャンクリストフガルニエの様に個々のキュベで意志のある多様性を見せれないかも知れないけれど、優しい口当たりと味わいの中に南アルプスの個性は出せたらなぁと思っています。

このワインは

ピノグリ主体+シャインマスカット
※「Heart Of The Matter」は問題の核心(に迫る)とかそういう意味ですね。

テイスティング

濁りがあり、ブラウンがかったオレンジ色。
ブレタノマイセス香がしっかりと感じられ、それが独特の雰囲気を醸し出しています。
フルーティーな香りもあり、白桃やマスカットを連想させる果実の香りもかなり奥に感じられます。
口に含むと、はっきりとした酸が感じられますが、同時に果実の旨味も豊富で爽やかな印象を与えます。
自然派感があり、その特徴を楽しむことができます。
なお、還元香が抜けるまで2日くらいに分けて飲むことで、よりブドウ本来の豊かな味わいが楽しめるかもしれません。

飲んだ日:2024-02-10
飲んだ場所:オアシス
価格:不明

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