最近はちょっとしたスーパーにも置いてあるビール。
苦味を抑えた爽やかなセッションエール。
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ビールデータ
ビール名:TOKYO BLUES SESSION ALE
生産地:日本 東京都福生市
生産者:ISHIKAWA BREWERY Co., Ltd
アルコール:4.5%
IBU(苦さ 平均15~20):44.7
モルト:マリスオッター・キャラメル
ホップ:シトラ・アマリロ
タイプ:セッションエール
価格:470円
ブルワリー
明治19(1886)年、日本が近代国家へと歩みを進める中、豊田の山口平太夫によってビールが造られました。
平成25年度に行われた発掘調査と蔵の調査で、煉瓦造ビール貯蔵所の跡や当時のビールラベル、そしてビール貯蔵所を写した写真乾板(撮影されたのは大正期で、その時は蔵として再利用されていた)が発見されました。
明治維新を経て日本が近代国家への歩みを始めると、日野市内でも時流を敏感に感じ取りながら、明治10年(1877年)頃より養蚕業の急激な発展がみられ、同16年には日野銀行が開業し、明治20年にはJR中央線の前身である甲武鉄道の建設に伴い、建設資材の煉瓦を製造する日野煉瓦工場が設立されるなど、各種の近代産業が産声をあげました。
中でも、「豊田ビール」は、まさに日野を代表する近代産業の一つであり、多摩地域でも初めてのビール醸造でした。
明治時代のラベルは2種類見つかっています。
その内の1枚の最下部には「知新堂石印」の文字を見ることができます。
「知新堂」は当時印刷業が盛んだった京橋区(現・中央区京橋)にあった石版印刷所でした。
「石印」とは、石版印刷(リトグラフ)の略で、明治時代には石版多色刷りのポスターが多く作られていました。このラベルも石版印刷らしい精密なデザインが施され、数色のインクで刷られています。
ビールそのものはもとより、そこに貼られたラベルに至るまでも、ここ日野にあって時代の最先端を行っていたのです。
蔵の中から、大正時代に撮影された歴史的にも貴重な約200枚にものぼる写真乾板も発見されました。
これらの資料は、幕末に新選組を生み出した日野ならではの何かを成し遂げようとする強い意志、 そして新しい時代に果敢に挑もうとする革新性と柔軟性を兼ね備えた、まさに「日野人気質」を 象徴するものです。
このビールは
上面発酵(エール)タイプで、広がる豊かな柑橘系の香りと、余韻に残るシャープな苦味が印象的。
セッションエールとは、既存のビアスタイルを踏襲しながらも、アルコール度数だけを低く仕上げるビールで、「伝統的なスタイルにみられる個性」と「低アルコール分がもたらすキャラクター」が調和しているのが特徴です。
低アルコール「飲みやすさ」ではなく、“飽きずに飲み続けられる”、“何杯飲んでも飽きない”、ドリンカビリティ(Drinkability)の高いビールです。
テイスティング
薄薄濁りブラウン。
やや甘いモルトの香り。
エッジのある苦さ。
フルーティさもある。