芸術家の作品をそのままラベルにしているテタンジェのコレクション。

驚きの熟成度で久しぶりにシャンパンで感動しました。

ワインデータ

ワイン名:Collection
生産地:France > Champagne
生産者:Taittinger (テタンジェ)
品種:Chardonnay (シャルドネ), Pinot Noir (ピノ・ノワール)
スタイル:Sparkling Wine(White)

ワイナリー

シャンパーニュ地方を初めて訪れた際、ピエール・テタンジェは、1914~1918年の大戦に従軍する若き連絡将校でした。数年後、彼は経験豊富な義兄ポール・エヴェックとともにシャンパーニュに戻ってきます。彼らはワインとガストロノミーに情熱を注ぐとともに、新たに獲得したこのシャンパーニュ事業の構築に全精力を傾けます。
第一次世界大戦の騎兵将校、ピエール=シャルル・テタンジェは、1915年にマルケットリー城(寄せ木細工の城)に駐留していたジョフル将軍の司令部に配属されます。彼はこの城に一目ぼれし、いつの日かこれを一族の地所とすることを誓います。1932年になって彼の願いはようやく実現します。義理の兄と協力して、ランスのシャンパーニュ伯爵邸を含むフォレスト=フルノー社を買い取ったのです。それ以降、フランスの高品質な料理に対する彼の情熱をもとに、メゾンで作られるワインのスタイルが確立され、現在まで脈々と受け継がれています。

テタンジェの本拠地は、1800年以上の歴史を持つ、ランスのサン・ニケーズの丘にあります。地下18メートルのセラーに入ると、僧侶たちがすでに勤めに精を出していた13世紀のガロ・ローマ時代に築かれた静謐な世界がよみがえります。修道院はフランス革命で破壊され、現在残っているのは地下階だけで、そのアーチ天井をもつ納骨堂はシャンパーニュ地方で最も美しいゴシック様式の建造物です。
この遺跡は150年間放置されていましたが、1920年代にシャンパーニュ・ハウスの到来によってよみがえり、戦後、テタンジェがこの地を購入して拠点としました。元のアールデコ様式が保たれたこの建物には、毎年6万人以上の訪問客が訪れ、セラーを見学します。コント・ド・シャンパーニュのキュヴェはこの地下で、何年もの間まどろみながら熟成を待つのです。

このワインは

1950年代初期、テタンジェのプロモーションのためにアメリカに渡ったクロード・テタンジェは、ルディ・コプフに出会います。
のちにメゾンのパートナーとして、大西洋の向こう側でテタンジェ・シャンパーニュの販売に携わる人物ですが、その彼が「未来の世界で、巨大企業とアーティストしか居場所がないとしたら、シャンパーニュ・テタンジェ社は、どちらを選びますか?」と尋ねました。
クロード・テタンジェが迷うことなく出した答えは「アーティスト!」でした。
この会話が、10年後にクロードが経営者の座に就任した際、メゾンの方向性を示すヒントになったのです。
1967年創設ルテタンジェ料理賞コンクール、および1983年発表のテタンジェ・コレクションを筆頭に、クロードは30年間に渡り、当ブランドを感動とエレガンスの世界へと導きます。
なぜなら当社ワインの卓越性と個性以外にも、テタンジェのスタイルとは、幸福の表現を分かち合う様々な方法をシャンパーニュに組み合わせながら、伝統の「枠から外れる」ことを知る術でもあるからです…

1983年、様々なアーティストと真の絆を得たクロード・テタンジェは、テタンジェ・コレクションを誕生させます。
当メゾンのグラン・クリュ・ミレジメにさらなる価値を与えるため、コンテンポラリーアートの分野で最も才能あるアーティスト達の助力を仰いだのです。

こうしてボトルは、容器であると同時に、偉大なアーティストが作品を発表する場になりました。
現在まで、アンドレ・マッソンやロイ・リキテンスタイン、今井、ラウシェンバーグ、アマドゥ・ソウなどのアーティストのデザインがコレクションに加わっていますが、このユニークなアートギャラリーの第1弾は、ハンガリー人アーティスト、ヴァザルリでした。
最新版である2016年のボトルデザインは、著名なブラジルの写真家、セバスチャン・サルガドが手掛けた作品です。
これらの限定ボトルは、目と舌で楽しみ、あるいは大切に飾ってもいいでしょう。しかし限定版のため、常に手に入るとは限らないのが残念なところです。

アルマンはその「 重ね合わせ」や「 砕いたオブジェ 」(腕時計、壁掛け時計、ホルンまたはバイオリン)で有名です。

これらの技法で、アートオブジェや彫刻、装飾品、絵画を制作しました。
1985年のテタンジェ・コレクションも同じスタイルのデザインとなっています。
艶光りする黒の背景に金色のバイオリンを絡め、バイオリンを弾く音楽家は目に見えませんが、違和感はありません。
シャンパーニュに最も美しいシンフォニーのような賛辞を与えるアーティストの優れた才能によって、その姿が想像できるからです。

ボトルの中は、コート・デ・ブランのグラン・クリュで収穫されたシャルドネ40%とモンターニュ・ド・ランスのグラン・クリュ(アンボネイとブージィ)で収穫されたピノ・ノワール60%から作られた ブリュット・ミレジメ 1981です。
1981年もまた、戦後シャンパーニュ地方で記録された中では、最もぶどう収穫量の少ない年になりました。
しかし、品質の点では素晴らしい評価を得ています。
8月は晴れの日が続き、9月は比較的雨が多かったため、糖度の高い黒ぶどうと白ぶどうが実りました。

1928年、ニースに生まれたアルマンは、フランス人で最も才能あるコンテンポラリー・アーティストの1人であると認識されています。
プラスチックアートへのアプローチに対する基本的な手法として、アキュミュレーション(蓄積)を使う事で、アルマンは現実を表現しようと試みたのです。
50年代を支配した抽象化の衰退に対するこの姿勢は、現実の定義に対する新たな視覚的アプローチを推進する彼の思惑を表しています。
アルマンは同じ種類の品を集め、またはため込んだ日用品を破壊し、それらの破片、もしくは複数の組み合わせからなる作品を作り上げました。
2005年10月22日、彼はニューヨークで亡くなります。

テイスティング

ワインと忍術の師匠からの高価な差し入れ。
濃いめの色はシャンパンとは思えません。
蜂蜜の様な香りと濃厚なシェリーの様な香り。
炭酸は僅かに残っており、微発泡です。
酸味もまだありますが、かなりまろやか。
非常に上品な味で、1981年とこんなに歳を経たシャンパンが飲めるとは思っておりませんでした。

飲んだ日:2012-07
飲んだ場所:ふる川
価格:40,000円

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