日本でも少しずつ人気が高まってきたフェルメール。
2019年1月9日から「取り持ち女」が「赤い帽子の娘」と交換で展示されるようになるので、観たい方か両方をチョイスすべきです。
東京展のみ閲覧は日にちと時間をチケット予約時に決めるので、大混雑で全然観れないという事はありません。
2/16~5/12の大阪展では「牛乳を注ぐ女」や「ワイングラス」が観れない代わりに「恋文」が観れます。
概要
ヨハネス・フェルメールとは
1632年、オランダのデルフトに生まれる。
21歳から画家として活動をはじめ、手紙を書く女性や、室内で歓談する男女など、人々の日常を題材とする風俗画を主に描く。
吟味された構図、緻密な筆遣い、優しく穏やかな光の表現を用いながら、美しく洗練された作品を残した。
当時、デルフトの画家組合の理事を務め、その絵を愛好するパトロンもおり高い評価を受けていたが、1675年に43歳で没すると、次第に忘れ去られていった。
その後、19世紀になってから再発見され、あらためて評価されるようになる。
現存する作品は35点とも言われ、作品の素晴らしさと希少性の高さも相まって、世界的にも屈指の画家として人気を集めている。
みどころ1
日本美術展史上最多のフェルメール作品9点が東京に。
寡作で知られ、現存作35点ともいわれるフェルメール作品。
そのうち、日本初公開の「ワイングラス」「赤い帽子の娘」「取り持ち女」を含む9点が、欧米の主要美術館から特別に貸し出されます。
みどころ2
奇跡の「フェルメール・ルーム」
来日するフェルメール作品は、すべての作品がひとつの部屋に飾られます。その名も「フェルメール・ルーム」。それは、フェルメール本人も目にしたことのないであろう奇跡の光景です。
キャリアのほぼ全段階から選ばれた傑作の数々は、彼の芸術表現の幅広さと豊かさを示してくれることでしょう。
みどころ3
フェルメールを200%味わい尽くすために。
「日時指定入場制」「音声ガイド全員無料」
美術展では適用の少ない「日時指定入場制」にて、お客さまをご入場の際に長時間お待たせせず、ご覧いただく運営をめざします。
さらに、来場者全員に音声ガイドを無料でご提供するなど、より快適に作品と向き合える、かつてない贅沢なひとときをおとどけします。
みどころ4
17世紀オランダ絵画の傑作約50点
フェルメールだけではなく、ハブリエル・メツー、ピーテル・デ・ホーホ、ヤン・ステーンらオランダ同時代の絵画と合わせた約50点を通して、17世紀オランダ絵画の広がりと独創性をご紹介します。
第1章 オランダ人との出会い:肖像画
第2章 遠い昔の物語:神話画と宗教画
第3章 戸外の画家たち:風景画
第4章 命なきものの美:静物画
第5章 日々の生活:風俗画
第6章 光と影:フェルメール
女優の石原さとみさんが全員に貸し出ししてくれる音声ガイドで登場しておりました。
正味貰ったパンフに書いてあることとあまり違いがないので音声ガイドが必要かどうかは…
6章のみにフェルメール作品があるので、他は素通りしていいかと言うとそうでもありません。
第1章 オランダ人との出会い:肖像画
フランス・ハルス(1582年~1666年)の作品
オランダ人のオランダ黄金時代に活躍した画家(主に肖像画)家であり、ハールレムを拠点としていた。ハルスはその柔らかな筆使いで有名で、またオランダ絵画に活気ある絵画様式を導入することを助長し、17世紀の集団肖像画の発展においては大きな役割を果たすこととなった。
ルーカス・デ・クレルクの肖像(1635年~1635年)
ルーカス・デ・クラークの最初の妻(1626)
精細な肖像画が最初に来場者の心を掴みました。
第2章 遠い昔の物語:神話画と宗教画
ヤン・デ・ブライ(1597年 – 1664年5月11日)の作品
オランダの画家・建築家。
ユーディットとホロフェルネス
2章はヨハネの斬首やこの絵など聖書関連の絵が多かったです。
ヨハネいつも首斬られてて見ててツラい。
第3章 戸外の画家たち:風景画
ニコラス・ベルヘム(1620年10月1日 – 1683年2月18日)の作品
オランダの画家。
市壁の外の凍った運河
こういったちょっと暗めの色合いを使用した絵や、市場に並ぶ魚などを売る娘を描いた作品など、当時の人々の暮らしを美しく描いたものが多かったです。
第4章 命なきものの美:静物画
ヤン・ウェーニックス
野兎と狩りの獲物
当時の貴族達が好んで描かせていた狩猟の静止画。
「この兎モッフモフ!」「これは柔軟剤使ってますわ。」
とか話していたんだろうなと思われる写実的な絵です。
第5章 日々の生活:風俗画
ニコラス・マースの作品
窓辺の少女、または夢想家
20歳頃の作品だそうですが、単純に凄いなあと感嘆しました。
第6章 光と影:フェルメール
牛乳を注ぐ女
LINEスタンプを作るくらい今秋の目玉ともいえる作品。
女性が牛乳を注ぐのに没頭している様子を描いている。注がれる牛乳以外のすべてが静寂に包まれている。フェルメールは単調な日常の所作を、「明るく照らされた室内に彫像のように立ち尽くす女性」という印象的な絵画に仕上げた。フェルメールはまた、細かい粒子で構成される光が、物の表面をどううつろうのかを観察していた。
マルタとマリアの家のキリスト
現存するフェルメール作品の中で最も大きく、最初期作のひとつ。画中ではキリストが、家事を心配するマルタをよそに、座ってキリストの教えを聞こうとするマリアを讃えている。光と影の戯れ、人物の特徴づけ、幅広で厚く絵の具をのせた筆さばきは、カラヴァッジオの影響下にあったユトレヒト派の画家からインスピレーションを受けたと考えられる。フェルメールにはめずらしい大きなサイズや主題から、特別な依頼を受けて制作されたものと推測される。
ワイングラス
日本初来日!
初期から中期へさしかかる過渡期の作品。テーブルの上には楽譜、椅子には古楽器のリュートが置かれた「愛」を暗示する室内で、黒い帽子の男性が女性にワインを勧めている。ワインを飲む女性の視線の先には半開きのステンドグラスの窓があり、その中央には馬具を持つ女性が描かれている。手綱を持つ女性は伝統的に「節制」を表すため、室内での色恋沙汰を戒める寓意と考えられている。
赤い帽子の娘
※12月20日まで
真っ赤な帽子をかぶり、振り向くようにこちらに視線を向ける女性。帽子に遮られ、彼女の顔のほとんどは影に覆われているが、左頬は明るく照らし出されている。耳元の真珠、瞳や鼻先にも光の粒が描き込まれ、少し開いた口元はつややかに輝く。背景にタペストリーが掛かる薄暗い部屋の中に存在感たっぷりに浮かび上がる女性の姿。細部にわたる緻密な描写や絶妙な配色など、フェルメールの卓越した筆さばきを随所に見つけることができる。日本初公開。
取り持ち女
初期作の1つである本作は、それまで宗教画、物語画に取り組んでいたフェルメールがはじめて描いた風俗画である。当時、キリストが説いた譬(たと)え話「放蕩息子」を発端に、娼家を舞台にした絵が数多く制作され、フェルメールもそうした時流の中でこの絵を描いた。女性は今まさにお客から金貨を受け取るところである。彼女を明るく照らす光、表情や手の動きなど、後にフェルメールが確立する表現の萌芽がすでに散見される。現存作品の3点にのみに年記が残るが、本作の右下には画家のサインと共に制作年も記されている。日本初公開。
※2019年1月9日(水)~会期終了までの展示
正直どの絵も素晴らしかったですが、私はやはり「ワイングラス」の精密さ、光と影の美しさが好きでした。
お土産コーナー
ミッフィーさんはマジで仕事選ばない。
貰ったパンフレット