飲んだワイン サントリー/フロムファーム高山村シャルドネ2021 7点

果実作りで有名な長野県の高山村産のシャルドネ。
温度が高めの方が香りや味わいがしっかりしてくる気がします。
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ワインデータ
ワイン名:From Farm 高山村シャルドネ
生産地:Japan > Nagano
生産者:Suntory (サントリー)
品種:Chardonnay (シャルドネ)
スタイル:White Wine
ワイナリー
登美の丘ワイナリーの丘を登ると、そこには美しい景色が広がっています。雄大な富士山の姿と目の前に広がる甲府盆地。
その美しい景色から、登って美しい「登美の丘」と呼ばれていたのが、登美の丘ワイナリーの名前の由来です。
この土地でぶどうをつくり続けて100年余り。広大な自家ぶどう畑で、頑なに土からつくり上げ、ひとつひとつ丁寧に育てたぶどうが手摘みされ、ワインに醸され、瓶詰されるまで、一貫したワインづくりを行っています。
「登美の丘ならではの土地の個性を最大限引き出したい」つくり手の努力と情熱が、ここにしかないワインを生み出し続けています。
ワイン用ぶどうは、一般的に雨が少なく、日あたりのよい、一日の寒暖差が激しい気候を好みます。 登美の丘は、富士山や南アルプス・甲斐駒ケ岳、八ヶ岳など、まわりを高い山々に囲まれて、雨雲が来ることが少ないため、山梨でも雨の少ない土地に位置しています。
また、畑が南向き斜面に広がっているため、日あたりにも恵まれて、標高も高いため冷涼で、収穫期の昼夜の気温差が10℃以上になる日も多く、ぶどうの熟度も高まります。
登美の丘は、’ぶどうづくり’にとって理想的とも言える環境に立地しています。
その恵まれた環境の中でも、微妙な日照時間や標高差、地形、土壌など様々な条件を考慮して、最適な場所で最適なぶどう品種を育てるため、ぶどう畑を約50もの区画に分けて管理しています。
また、最近では日本固有のぶどう品種「甲州」の栽培強化にも取り組んでおり、従来の棚仕立てに加え、より凝縮感のあるぶどうを収穫するために垣根仕立ての栽培にも挑戦しています。
良いワインはよいぶどうがつくり、良いぶどうはよい樹がつくる。良い樹を育てるには、土壌を抜きにしては考えられません。
土を知らずして良いワインは望めないのです。
登美の丘は、もともと粘土とシルト(粒状が砂より小さく、粘土より大きい堆積土)と砂が適度に混ざった火山性の水はけのよい土壌。
栽培のつくり手は、さらなるぶどうの品質向上のため、長年にわたり改良を加え、水はけを考慮した排水を考えながら、徹底的に土を知る努力を続けています。
また、場内のぶどう畑では、主に11品種のぶどうを管理・栽培し、登美の丘の気候・風土のなかで、どの畑にどのような品種が適しているか、どう栽培したらいいかを常に考え、愛情を込めてぶどうの世話をしています。
さらに、自然の植物と共生しながらぶどうを栽培する“草生栽培”にも取り組んでいます。
「風土と寄り添いながら、品種を通して、この土地の特徴を表現していく」我々は、そんなワインづくりを目指しています。
主な栽培品種
<赤>カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルド、ブラック・クイーン、マスカット・ベーリーA、ビジュノワール
<白>シャルドネ、甲州、リースリング・イタリコ、リースリング・フォルテ
醸造に携わるつくり手は、年によって異なるぶどうの個性を見極め、それぞれに最適な醸造方法を見出します。
約50区画のぶどう畑から、ぶどうの個性を最大限引き出すために、可能な限り別々に醸造をおこないます。
醸造をおこなう際は、酸化を防ぐために、様々な手法で慎重に、かつ丁寧にぶどうを扱います。
そして豊富な経験に基づいたつくり手の、こまやかで愛情あふれる作業によって、1本1本、この土地の特徴を表現した、登美の丘ならではの味わいに仕上がっていくのです。
このワインは
果実の熟度の高さを感じる膨らみのあるボディ感と、それに負けない引き締まった芯のある酸味を持った、良年の高山村らしい充実感のある味わい。力を感じる辛口白ワインです。
長野県の北信地区に位置する高山村。
このエリアは、もともとりんご産地として知られていますが、近年は村をあげてぶどう栽培にも精力的に取り組んでいます。
その姿勢は、日本ワインに造詣の深い人たちに認知されるほど。降水量が少なく、昼夜の寒暖差が大きく、水はけのよい土壌はシャルドネづくりに最適です。
出来上がったワインは、豊かで甘い完熟の洋梨やメロンなどの果実を連想させる香りに、熟した柑橘のタッチが勢いを与える力強い香り。
ほんのりと広がるクリームやトースト系の香りが複雑さを与えます。熟した果実とまろやかな酸味のゆったりとした質感と、しっかりとした骨格に支えられた膨らみのある辛口白ワインです。
つくり手メッセージ
高山村は、標高が約500m~700mの非常に涼しいところで、きれいな酸味を保持したままぶどうを完熟させることが出来ます。
また、村内の標高差のある畑で栽培されるぶどうは成熟速度が異なり、様々な果実の魅力が多層的に感じられます。
2022年はぶどうの生育・成熟期間ともに降水量の多さや曇天が続いた難しい年となりました。
その中でも、ぶどう生産者の皆様とぶどうの状態を確認しながらコミュニケーションをとり、果実がより熟したタイミングで収穫を実施し、醸造に繋げました。
リンゴやメロン、パイナップルなどの様々な果実の香りに加えて、醸造中の樽からくる香ばしさを調和させ、熟した果実の味わいとまろやかな酸味がバランス良く、なめらかでふくらみのある味わいに仕上げました。
果樹栽培が盛んな高山村で収穫されたシャルドネを丁寧に醸造したワインです。
是非お愉しみください。
塩尻ワイナリー 佐藤圭一郎
テイスティング
グラスに注ぐと、穏やかでクリアなイエローが目を惹きます。
淡く洗練された色合いの中に、ほんのりとしたゴールドのニュアンスが感じられ、光を受けるたびに繊細な輝きを放ちます。
香りはみずみずしさに満ちており、トロピカルフルーツや白桃を思わせる甘やかな果実香がやさしく広がります。
そこに、レモンやライムなど柑橘系の爽やかなアロマが加わり、バランスの取れた軽やかな印象を与えてくれます。
また、メロンソーダやキャンディのような遊び心のある甘いニュアンスや、フレッシュな香りも顔をのぞかせ、個性豊かなブーケが立体的に広がっていきます。
さらに、樽熟成に由来するトースト香が奥行きを与え、全体に丸みと深みをもたらしています。
味わいは、シャルドネらしいスタイルをしっかりと保ちつつも、親しみやすく洗練された印象です。
アタックではレモンやグレープフルーツのような生き生きとした酸味が舌を心地よく刺激し、続いて白桃や洋梨を思わせるまろやかな果実味がゆっくりと広がっていきます。
中盤から終盤にかけては、しなやかなコーンのような香ばしさや、トーストしたニュアンスが絶妙に加わり、飲みごたえを感じさせてくれます。
アルコールのボリュームは控えめながら芯があり、余韻にはすっきりとした清涼感が残ります。
飲んだ日:2025-01-29
飲んだ場所:オアシス
価格:4,950円