飲んだワイン 共栄堂/Y23HR_DD 2023 7点

山梨に居ても中々出会わないワイナリーの一つで、2021年から自家醸造の「室伏ワイナリー」を名乗っています。
自然派大好きっ子が泣いて喜ぶワイナリーの一つ。
還元香はあるものの、そこまでではなく旨味を感じさせる味わい。
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ワインデータ
ワイン名:Y23HR_DD
生産地:Japan > Yamanashi
生産者:共栄堂(室伏ワイナリー)
品種:Koshu (甲州)
スタイル:Sparkling Wine(White)
ワイナリー
共栄堂という名前は、元四恩醸造の醸造責任者、小林剛士の実家が営む「よろず屋」の屋号。
「共に栄える」という文字に込められた理念は、ブドウ栽培・ワイン醸造をすることで、山梨の農業全体の下支えをしたいという小林の思いと通底しています。
共栄堂が企画したワインの商品名は記号や数字の配列で表記されておりますが、これは文字から得られる固定概念を一旦外して、自由にワインを楽しんでほしいという思いが込められています。
山梨市・甲州市の自社畑のほか、山梨にある6軒のブドウ生産者から造られています。
このワインは
2023年ヴィンテージのテーマは「Bespoke」です。
テーラーに於いて注文する誂服を「Bespoke Suits」と呼びます。
お客様と話し合いながら相談しながら注文するため「Be-spoken」が由来とも言われております。
今回のエチケット制作を通じて、山梨に拠点を構えるオーダーメイド専門店「JOKERS TAILOR」のスーツとワイン造りの間にも「Bespoke」な共通点を感じることができました。
素材を大切にし、製法にこだわり、実際に試着して改良し、最高の誂品をつくり、お客様の笑顔を創造する。
ただモノを提供するだけでなく、その先にある喜びにフォーカスしたいと考える、JOKERS TAILORのものづくりを紹介します。
https://jokerstailor.com/
「裁断」
チャコで曲線を描かれた生地、裁ち鋏、針山、メジャー、様々な道具の力を借りて創り上げていきます。
平面の生地から立体のスーツになるまでにはとても多くの工程を重ねています。
Photo:Tadahiro Fujihara (Fil.Graphic)
テイスティング
柔らかな陽光を思わせる、やや濁りを帯びた薄く明るいオレンジ色。
黄金色から琥珀色寸前までのグラデーションがグラスの中に広がり、その美しさは一瞬で心を掴みます。
わずかに立ちのぼる泡もあり、穏やかにきらめきながら、期待感を静かに高めてくれます。
香りは非常に多層的で、グラスを傾けるたびに新たな表情を見せてくれます。
自然派感あふれる還元香の後に黄桃のコンポートや杏のようなやわらかな果実香に、伊予柑やグレープフルーツの皮を思わせる柑橘のビターなニュアンスが繊細に寄り添います。
さらに、枇杷や林檎、ほんのりと感じられる柘榴が、奥行きを与えています。
梅酒や杏仁のような和のエッセンスが静かに香り立ち、すべての要素が絶妙に調和した芳香は、心を落ち着かせると同時に、どこか懐かしさをも感じさせます。
時間とともに変化していく香りの波は、このワインの複雑さと緻密な造りを物語っています。
口に含んだ瞬間、優しく広がるのは、果実の自然な甘みと繊細な酸のバランス。
黄桃や杏の熟した果実味がしっかりと感じられながら、杏仁や柑橘のようなキリッとした輪郭が全体を引き締めています。
泡は柔らかく控えめで、口当たりを優雅に彩り、ボディは丸みを帯びてしなやか。
ふくらみのある味わいは、余韻に至るまで丁寧に計算されており、飲み進めるたびに印象が深まります。
甘さをほのかに感じつつも、決して重たくならず、最後には軽やかさが残る心地よいフィニッシュ。
飲んだ日:2024-08-08
飲んだ場所:オアシス
価格:2,420円