飲んだワイン シャンモリワイン(盛田甲州ワイナリー)/柑橘香 穂坂甲州2022 7点

最終更新日

最近何度かお会いしているワイナリー。

色々賞を取ったのが嬉しい様でシールが沢山張ってありますが、フランス・ボルドーの国際ワインコンクール「シタデル・デュ・ヴァン2023」で金賞を取ったシールが真ん中にあります。

ワインデータ

ワイン名:柑橘香 穂坂甲州
生産地:Japan > Yamanashi
生産者:シャンモリワイン(盛田甲州ワイナリー)
品種:Koshu (甲州)
スタイル:White Wine

ワイナリー

尾張国知多郡小鈴谷村(現愛知県常滑市小鈴谷)で江戸時代中期から酒、味噌、醤油の醸造業を営んできた盛田家の11代目久左衛門は、明治政府の富国強兵、殖産興業政策に基づく新規事業を模索しておりましたが、1880年(明治13年)、当時甲州(山梨県)で栽培されていた葡萄に目をつけ、ワインを醸造して国益を図る決心をし、1881年(明治14年)小鈴谷村の官有林520haの使用許可を受けて約50haの葡萄園を開き醸造用葡萄の植え付けを開始しました。

政府のワインの原料葡萄の専門家を招き、栽培指導を受けるなどして盛田葡萄園は着実に成長しつつありました。
当時日本を訪問したフランス農務省の職員は、日本で最も感銘する葡萄園だと述べています。
1886年の農商務省の報告によると葡萄栽培数は、愛知県が全国の約半数を占めるまでになっていました。

ワイン先進国フランスのようなワイン造りをという久左衛門の夢は実現向けて、大きく前進していました。

1885年(明治18年)ワイン醸造場建築の指導者として甲州より技術者を招き、ようやく収穫可能となった葡萄園 から葡萄を収穫し、この年の秋仕込みをする準備を整えていました。
しかし、思いもよらない事態が待ち受けていました。
当時世界的に猛威を振るっていたフィロキセラ(根アブラムシ)が盛田葡萄園にも襲いかかり、たちまち葡萄園は壊滅状態となってしまいました。
フランス並みのワイン造りを目指した久左衛門の夢 は、残念ながら果たされませんでした。

14代目久左衛門の次男和昭は、盛田株式会社を引き継ぐと、11代目が果たせなかったワイン造りに再度挑戦することを決意し、1973年(昭和48年)葡萄、ワイン造りの本場甲州勝沼にワイナリーを設立し、シャンモリワインと命名しました。
その後、順調に発展し、初期工場が手狭となったので、勝沼町の求めに応じて、ワインバレー第1号工場として当工場が完成しました。

このワインは

山梨県韮崎市穂坂町三之蔵地区にて、栽培・収穫した甲州種ぶどうを100%使用しております。
マスクメロンやマスカットのような華やかな果実香に、香木のような落ち着いた香りが見事に融合。
柔らかい酸味と自然で奥深い果実の広がりが楽しめます。甲州種は、1200年以上前から栽培されているといわれる歴史のある品種であり、甲州種ぶどうの持つポテンシャルを発揮した製品です。
『柑橘香 穂坂甲州2022』は、「柑橘香」シリーズとして初めて「地理的表示(GI)山梨」を取得したワインです。

~作り手の想い~
これまで当社の柑橘香シリーズの甲州ぶどうは完熟時期ではなく、2週間程早く収穫しておりました。
それは「甲州種の柑橘香(の元となる前駆体含量)は、早期収穫時が高濃度である」という研究結果があるためです。
一方で本ワインの甲州種はシーズン終盤に収穫された遅摘みぶどうを用いております。
本来であれば「遅摘みでは柑橘香の発現可能性は低い」と考えられますが、収穫された葡萄の表情を見ると、果皮の色は濃すぎず、淡く輝き、完熟よりもむしろ早摘みした時のような色調を呈していました。
そこで柑橘香仕込みを試みたところ、他の柑橘香シリーズと同系統の豊潤な香りが醸し出されました。
特殊な甲州であるがゆえに、豊かな柑橘類の香りと、遅摘みならではの丸みを帯びた味わいが両立した「柑橘香 穂坂甲州」を是非お楽しみください。

テイスティング

透明感のある美しい色合いが特徴で、淡いレモンイエローの中にグリーンの輝きを感じさせます。
さらりとした若々しい印象を与えながらも、その輝きはフレッシュなエネルギーを予感させ、グラスを傾けるたびに洗練された雰囲気が漂います。
香りは繊細でありながらも多層的で、まず洋梨や白桃といった瑞々しい果実の香りが立ち上ります。
続いて、白い花の優美な香りが重なり、さらに穏やかなハーブのニュアンスが奥行きを加えます。
緑を感じさせる爽やかなアクセントもあり、フレッシュさが心地よい印象を残します。
味わいは開けたては微発泡であり、しっかりとした辛口で、甲州らしいフレッシュな果実味が広がります。
新鮮な酸味が生き生きとしており、ライムを思わせるキリッとした爽快感が前面に出ています。
同時に、微かに感じる塩味とコクが、全体のバランスを見事に整えています。
軽やかなアルコール感とともに、余韻にはほのかな苦味が加わり、飲み心地に奥深さを与えています。

飲んだ日:2024-11-01
飲んだ場所:オアシス
価格:2,420円

wineninja

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