飲んだワイン 月山ワイン/ソレイユ・ルバン ビアンコ フリッザンテ2019 7点

最近飲む機会に恵まれるワイナリー。
優し目の泡で、暑い季節にピッタリ。
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ワインデータ
ワイン名:Soleil Levant Bianco Frizzante
生産地:Japan > Yamagata
生産者:庄内たがわ農業協同組合 月山ワイン山ぶどう研究所
品種:Koshu (甲州)
スタイル:Sparkling Wine(White)
ワイナリー
もともとワインなるもの、その歴史は古く、人類が地球上に出現してほどなく生まれたと言われている。
以来人々は、ブドウの樹を「生命の樹」と呼び、酒の神ディオニソス、別名パッカスをあがめて、ワインをつくってきたのである。
澄んだ空気ときれいな水…。豊かな自然に恵まれたここ(旧)朝目村でも、ワインという名所も知らなかった昔から、地元の人々や修験者たちが野生の山ぶどうから「どぶろく」を作り、滋養強壮、あるいは貧血、疲労回復などに効能があるとして愛飲する風習があったという。
いうなれば(旧)朝日村のディオニソスは、霊峰出羽三山の修験者たちといったところか。
ただ、自分たちでつくって自分たちで飲んでいるうちはよかったものの、それを誰かに「分けてあげる」となると、税務署が黙ってはいない。
おりしも一村一品のブーム。
北海道で山ぶどう系のワインを造ったという話を耳にして、「山ブンドならなんぼでもある。おら方でもやってみんべ」となった。
昭和40年代後半のことだった。
「なにが大変だったって、免許をとるのが、一番苦労しました」
(旧)朝日村のユニークな点は、酒類製造の免許を取って製造の音頭をとったのが、農協であること。
なにしろ酒税法のイロハも知らずに税務署にかけあい、製造技術者がいるかと聞かれれば「どぶろく関係者がいるから」と答える具合。
何回も交渉した結果、なんとか免許も取得し、「山ブンドで商売なるのか」と半信半疑の農家に坪びかけて、昭和54年に製造開始。
翌年の国税局の鑑定は「良」。
ここに「月山ワイン」が誕生したのである。
「なんぼでもある」と豪語した山ブンドだったが、いざワインとなると自生のものでは年によって精度がまちまち。
で、栽培しなければ、となったが、専門家でさえ「山ぶどうの栽培など聞いたことがない」。
研修に出かけたり農家を募ったりで、試行錯誤の上、原料の生産体制を整え、現在では70ほどの農家が山ぶどうの栽培を行なっている。
ともあれ、ワインの味を決めるのは一に原料、二に管理。
「山ぶどうそのもののコクをいかにひきだすか。発酵方法や酵母を変えて…そうですね、納得のできる一本ができたのは7、8年目でしょうね」と語るのは、ワイン醸造主任の赤松博美氏。
もちろん「どぶろく関係者」ではなく、農芸化学専攻の専門家。月山ワイン誕生のときから醸造を担当している。
あの小さな粒に、4つも種を持つ山ぶどう。
原料のうち55%しか果汁にならないという。
「糖度が高く、適度な渋みがあり、適度な邑があり、粒が大きく、果汁率が高いもの…これがいい山ぶどうの条件」をめざして、改良にも取り組んでいる。
昭和55年、3,000本のロゼからはしまった月山ワインも、今では多くの方々に愛飲されています。
「酒は百薬の長といわれていますが、私たちは不老長寿の薬は月山ワインにあり、と言われるように頑張りたい」と、赤松さんは語る。
このワインは
山形県鶴岡市西荒屋地区で棚栽培された良質の甲州ブドウのみを使用。
ガス充填を行い微発泡に仕上げました。
引き締まった酸味と旨みのある微発泡タイプの白ワインです。
テイスティング
淡いゴールドがグラスの中で優しく輝き、白い花びらを思わせる透明感が印象的です。
光にかざすと、微細な泡が繊細に立ち上り、目にも楽しめる美しい表情を見せてくれます。
この色は、清潔感とエレガントさを同時に感じさせるもので、これから始まる香りや味わいの体験に期待を抱かせます。
次に香りに移ると、最初に感じられるのは、白い花やはちみつのような甘やかなフローラルノートです。
さらに、青リンゴやグレープフルーツ、ライムといった爽やかなフルーツの香りが加わり、全体にフレッシュで活力ある印象を与えます。
この香りの層は、非常に複雑でありながらもバランスが取れており、ミネラル感が後からほんのりと漂うことで、爽快感が一層引き立ちます。
温度が少し上がると、これらのニュアンスがさらに深まり、香り全体が豊かに展開します。
味わいは、まず心地良い酸味が口の中に広がり、清涼感を伴ったアタックが楽しめます。
柑橘系の柔らかな酸が、青リンゴやライムのフレッシュさと調和し、爽やかさが際立っています。
また、旨味の豊かなコクがあり、サラリとした余韻が続くことで、軽やかな飲み口とバランスの取れた味わいが楽しめます。
温度が上がると、はちみつの甘美さや白い花の芳香が一層引き立ち、アルコール感も非常に滑らかでまとまりのある仕上がりになっています。
飲んだ日:2024-10-11
飲んだ場所:オアシス
価格:2,310円