飲んだワイン アンリオ/ブリュット ミレジメ2008 8点

最終更新日

実は色々種類を飲んでいるのにブログに挙げていなかった有名ワイナリー。

どれを飲んでもハズレがないのが素晴らしい。

 

ワインデータ

ワイン名:Brut Millésime
生産地:France > Champagne
生産者:Champagne Henriot (シャンパーニュ・アンリオ)
品種:Chardonnay (シャルドネ), Pinot Noir (ピノ・ノワール)
スタイル:Sparkling Wine(White)

ワイナリー

1640年
アンリオ家、シャンパーニュへ移住
生まれ故郷のロレーヌを離れた後、アンリオ家はランスで元々の毛織物の商いを発展させ、それにすぐワインの商いも加えました。
シャンパーニュ地方で名の知れたネゴシアン(仲買商)となったアンリオ家は、ブドウ畑に投資し、ワイン造りの技術に関する知識を培っていきました。

1718年
『シャンパーニュでのブドウ栽培法とワイン造り』の刊行
この書物は、アポリーヌ・アンリオにとって知識とインスピレーションの源となりました。著者はアポリーヌの大叔父であるゴディノ神父とされています。
「偉大なシャンパーニュを生み出すことで、自らの土地を輝かせる」アポリーヌ・アンリオ

1808年
アポリーヌ、メゾン・アンリオを創設
1808年、若くして夫ニコラ・アンリオを亡くした未亡人アポリーヌ・アンリオが、自らシャンパーニュ・メゾンを創設しました。
その時すでに14年間、彼女は夫と共に毛織物とワインの商いを営んでいました。
シャンパーニュは彼女の血に流れていました。
父はブドウ畑を所有し、大叔父のゴディノ神父は、1718年に刊行された有名なブドウ栽培学の著者でした。
ヴェルジー、ヴェルズネイ、マイイ=シャンパーニュといったモンターニュ・ド・ランスの中心に畑を所有し、アポリーヌはシャンパーニュ、そしてそのブドウ畑や景観の美しさに深い愛情を抱いていました。

1880年
二つの畑の結びつき
アポリーヌの曾孫ポール・アンリオは、1880年にコート・デ・ブラン出身のマリー・マルゲと結婚しました。
この結婚によって、アンリオ家の畑は大きな転換を迎えます。
それまでの畑はモンターニュ・ド・ランスのピノ・ノワール主体の三つのクリュだけでしたが、新たにアヴィーズ、ル・メニル=シュール=オジェ、シュイイといったコート・デ・ブランのシャルドネ畑が加わり、アンリオの畑は新しい地図を描くこととなりました。

1920年
土壌研究のプロジェクト
アポリーヌ・アンリオの子孫の多くは農学技師として学び、ブドウ栽培の技術向上と畑へのより細やかな配慮に尽力しました。
1920年には、多くの土壌断面調査を実施して土壌を分析。革新的に、土壌理解のプロジェクトを立ち上げました。

1970年
リザーブワインの多様性
1970年代初頭、第7世代ジョセフ・アンリオは、アポリーヌが2世紀前に始めたリザーブワインのコレクションをさらに充実させることを決意しました。
「2世紀以上にわたり、メゾン・アンリオはシャンパーニュの歴史の最も美しい瞬間を映し出す、この貴重な創造を受け継いできました。」アリス・テティエンヌ(メゾン・アンリオ セラーマスター)

2020年
アライアンス・テロワール・プロジェクト
畑への理解を深め、栽培方法を適応させ、環境への取り組みを気候変動の時代に組み込み、シャンパーニュの持続可能性に貢献する——
これが、2020年からアリス・テティエンヌの指揮で始まった包括的プロジェクト「アライアンス・テロワール」の目的です。
「自然という生き物にレシピはありません。あるのは、尊重と責任を持って取り組むべき良き実践だけです。」アリス・テティエンヌ

このワインは

もしアポリーヌ・アンリオが、マルチ・クリュ(複数の畑)とマルチ・ヴィンテージ(複数の年)のアッサンブラージュを通じて全てのテロワールを語りたいと願い、その結果としてメゾン初のキュヴェ「アンリオ ブリュット・スーヴェラン」を誕生させたのであれば、同時に彼女は、ミレジメ・シャンパーニュを通して自然へのオマージュを捧げたいとも考えていました。

「アンリオ・ミレジメ」は、ある特別な年を解釈し、その年ならではのテロワールをメゾンの視点で映し出すものです。
したがって、それぞれのミレジメは独自の創造であり、アッサンブラージュに用いるワインの選択もその年に固有のものとなり、香りの表現も極めて特別なものとなっています。

テイスティング

ワインは気品ある黄金色を放ち、その輝きは熟成による深みと若々しいエネルギーを同時に感じさせます。
香りは非常に複雑かつエレガントで、多層的な表情を見せてくれます。
まずは新鮮な白桃やリンゴのアロマが立ち上がり、続いて砂糖漬けの苺やシトラスのニュアンスが広がります。
そこにバニラやカスタードクリームのまろやかな甘やかさ、ヘーゼルナッツやブリオッシュの香ばしさが加わり、熟成を経たシャンパーニュ特有の深みを感じさせます。
さらにほのかなフローラルやスパイスのニュアンスが全体を引き締め、最後には上品なトースト香が余韻を包み込みます。
その香りは時とともに進化し、グラスを傾けるごとに新たな表情を見せてくれるでしょう。
味わいは、口に含んだ瞬間からしっかりとした骨格と滑らかなテクスチャーを感じさせます。
熟した果実の豊かな甘みが広がり、それを支える生き生きとした酸と心地よいミネラル感がバランスを生み出しています。
フルボディでありながらも決して重たさを感じさせず、クリスピーで直線的な伸びが全体にエレガントな印象を与えています。
繊細なタンニンのニュアンスが骨格を際立たせ、余韻には爽やかさとほんのりとした心地よいビター感が長く続きます。
最後までシルキーで洗練された表情を保ち、複雑さと透明感を兼ね備えた一本です。

飲んだ日:2019-03-29
飲んだ場所:ホテル
価格:16,000円(78ユーロ)
インポーター:ファインズ

wineninja

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