飲んだワイン ヨハニターグート/カベルネ・フラン トロッケン2021 7点
多分初めて飲んだ作り手。
ドイツでカベルネ・フランは自分としては結構珍しく感じる。

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ワインデータ
ワイン名:Cabernet Franc QbA. trocken
生産地:Germany > Pfalz
生産者:Staatsweingut mit Johannitergut (ヨハニターグート)
品種:Cabernet Franc (カベルネ・フラン)
スタイル:Red Wine

ワイナリー
私たちのスタッフに「ワイン造りで目指すものは何か」と尋ねれば、皆が同じ想いを抱いていると答えるでしょう。
それは「伝統と革新の調和」です。この理念こそが、本物で高品質なワインを生み出す鍵であり、すべての決断の指針となっています。
私たち州立ワイナリーとヨハニターグートは、ドイツ・ファルツ地方で最も歴史あるワイナリーの一つです。
その起源は8世紀にまで遡り、当初はヴァイセンブルク修道院へ寄贈されました。
約1290年には名前の由来ともなった聖ヨハネ騎士団の所有となり、1970年にはラインラント=プファルツ州がこれを取得し、同年に州の農業研究機関(DLR)に組み込まれました。
この州立ワイナリーとしての立場は、単なるワイン生産者にとどまらず、教育と研究の分野でも道を切り開く存在であることを意味します。
伝統的な醸造法と最新技術の融合により、私たちはワイン造りの先駆者であり続けています。
日々新たな知識を得て、それを未来の醸造家たちに伝えることは、私たちの重要な使命です。
長年の経験から生まれた伝統的な価値観と最新の科学的知見の両方を、年間最大10名の研修生たちに教えています。
ファルツ地方の中心に位置する自社畑は、それぞれ異なる土壌と環境を持ち、そこで育まれるブドウは一杯のグラスの中にその土地の個性を映し出します。
例えば「ダイデスハイマー・ヘルゴッツアッカー」の粘土質と砂壌土、「ハールター・ヘレンレッテン」の泥灰質の粘土、「ケーニヒスバッハー・エールベルク」の赤砂岩と石灰岩、「ムースバッハー・ヨハニターガルテン」の川砂と砂利など、土壌の多様性がワインにそれぞれ独自の個性と風味を与えています。
こうして私たちのワインは、地元の伝統品種はもちろん、国際品種、ペットナット(瓶内二次発酵による発泡ワイン)、さらにはオレンジワインといった独創的なスタイルまで、多彩でテロワールの魅力あふれるラインナップとなって皆様のもとへ届けられています。
私たちはこれからも、自然と共に歩むワイン造りを続けてまいります。

このワインは
心地よいタンニンのストラクチャーと濃密で複雑なボディを持つ。
香りには赤いベリー(カシス)のニュアンスと繊細なグリーンペッパーのヒントが印象的。
味わいはスパイシーで、わずかに胡椒のニュアンスがある。バリックで熟成され、無濾過で瓶詰めされるため、ボトルには少量の沈殿物が見られる。
長期保存に最適で、特にその恩恵を受ける。

テイスティング
グラスに注いだ瞬間、深みのあるガーネットレッドが目に飛び込んできます。
中心は黒みを帯びた濃厚な色調ながら、エッジにはルビーの輝きが見え隠れし、若々しさも感じさせます。
グラスをゆっくりと回すと、粘性のある液体がグラスの内側をゆっくりと滑り落ち、ボリューム感ある構造を予感させます。
次に香りですが、最初に立ち上がるのはブラックカラントやレッドカラントといった赤黒系ベリーのアロマです。
そこにミントのような爽やかなハーバルな印象が重なり、心地よいグリーンノートが全体の香りを引き締めています。
さらに、胡椒やクローブといったスパイス感も徐々に姿を現し、香ばしいローストした新樽由来の香りが全体を包み込みます。
時間の経過とともにウッディなニュアンスが和らぎ、ベリーとスパイスが絶妙なバランスで調和していきます。
味わいは、一口目から滑らかでシルキーな舌触りが印象的です。
熟したベリーのジューシーな果実味が広がり、きめ細やかなタンニンがしっかりとワインの骨格を支えています。
豊かなアルコール感がボディ全体に丸みをもたらしつつ、重たさを感じさせない仕上がりです。
胡椒やスパイスのニュアンスがミッドパレットで力強く現れ、奥行きのある味わいに。フレッシュな酸味が果実味と調和し、最後までバランスを保ちながらゆるやかに余韻へと続きます。
後半には軽いロースト香やスパイシーな要素がアクセントとなり、果実味を引き立てながらも飽きのこない印象を残します。
飲んだ日:2025-07-19
飲んだ場所:switch
価格:7,700円(公式HPで18ユーロ)
インポーター:都光