飲んだワイン シャトー・メルシャン/マリコ・ヴィンヤード オムニス2017 8点

メルシャンの中でもお高いシリーズの一つ。
いつかすべてを制覇してみたい。
これはまさに優しめのボルドーでした。
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ワインデータ
ワイン名:椀子 Omnis
生産地:Japan > Nagano
生産者:メルシャン株式会社
品種:Cabernet Sauvignon (カベルネ・ソーヴィニヨン), Merlot (メルロ), Cabernet Franc (カベルネ・フラン)
スタイル:Red Wine
ワイナリー
味の素の創業者として知られる鈴木三郎助の次男・鈴木忠治が、化学調味料製造の際に発生する大豆粕を原料にアルコール・合成清酒製造を目的として1934年に「昭和酒造株式会社」として設立。
川崎に工場を竣工し、合成清酒「三楽」の製造を開始。
その後は合成清酒や焼酎を製造する傍ら、飼料や抗生物質なども生産。
有するブランド「三楽」を冠し、1949年に「三楽酒造株式会社」と社名変更。
1961年には山梨県甲州市勝沼町でワイナリーを経営していた日清醸造を買収し、同社が有していたブランド「メルシヤン」を傘下におくと、これを契機にワイン事業に参入。
翌年には長野県軽井沢地域でウイスキーの製造を行っていたオーシャン(大黒葡萄酒)を買収し、事業を拡大。
同社のブランド「オーシャン」も傘下に置くと、サントリーを追随する形で総合洋酒メーカーに転身。
1970年にはワイン「シャトー・メルシヤン」を発売し、ワインを専門分野とする一方、1980年代は酎ハイブームの到来と共に、サワー系飲料、また「ピーチツリーフィズ」などのカクテル製品を今日まで生産を続けており、この分野での知名度も高い。
味の素傘下時代には、「メルシヤン」と「ヤ」も大きく表記していた。
1990年には社名を現在の「メルシャン株式会社」に変更。
2006年11月、麒麟麦酒(現・キリンホールディングス)との資本・業務提携を発表。
同年11月17日から31日間実施されたキリンビールによる友好的TOB(取締役会賛同の株式公開買付け)により、キリンビールの連結子会社となった。
翌2007年7月1日、旧・キリンビールが持株会社に移行し、メルシャンはキリングループのワイン事業の中核となった。
なおTOBには主要株主として、同根企業の味の素も参加している。
かつては酒類、加工用酒類に加え、医薬・化学品、飼料も扱っていたが、現在は撤退して酒類カンパニーに特化している。
2013年1月1日のグループ再編に伴い、キリンホールディングス傘下として設立された綜合飲料会社(中間持株会社)であるキリン株式会社の傘下に移行し、ワイン・焼酎・梅酒事業を担う事業会社となっている。
2019年7月1日にキリンホールディングスがキリンを吸収合併したため、キリンホールディングスの直接子会社となる。
このワインは
概要
メルシャンは最高品質のワインを目指し、長野県上田市丸子地区の陣場台地で2003年より自社管理畑『椀子ヴィンヤード』を展開。
『椀子ヴィンヤード』全体のテロワールを赤ワイン品種で表現することから、ラテン語で「全て」を意味する『オムニス』と名付けました。
テイスティングコメント
コメンテーター:チーフ・ワインメーカー 安蔵 光弘
ガーネットのニュアンスを含んだ濃い色合いの赤。
カシス、プルーン、ブラックチェリーなどの黒い果実と、オーク樽での育成によるヴァニラやチョコレートの香りが バランスよく調和します。
スパイシーなニュアンスの香りに加え、力強さとエレガントさを兼ね備えた質の良いタンニンが長い余韻とともに口中に広がります。(2021年4月)
ヴィンテージ情報
3月が比較的低温で推移した影響で萌芽、展葉から開花時期まで平年と比較して1週間程度遅く生育が進みました。
梅雨時期の雨は不安定で後半に局所的な豪雨が何回か見られましたが、その後天候は回復し平年並みの時期にヴェレゾンを迎えました。
この時期の降雨量は少なく、朝晩の気温の日較差が十分に得られたこともあり、比較的小粒で色付きも順調に推移し、収穫時期の天候も良好に推移し、病害の影響も少なく健全な良い状態の果実を収穫することができました。
一方で房型が小さく、収穫量は例年より少なくなった年でした。
基本情報
【産地】長野県上田市丸子地区椀子(マリコ)ヴィンヤード
【使用品種】カベルネ・フラン40%、メルロー36%、カベルネ・ソーヴィニヨン16%、プティ・ヴェルド8%
【栽培方法】垣根式栽培
【収穫】9月下旬収穫:メルロー、10月上旬~10月中旬収穫:その他品種
【発酵】ステンレスタンクにて28~30度で約14日間、木桶にて28~30度で約14日間発酵
【育成】オーク樽にて約19カ月間育成
【生産本数】約5,500本
テイスティング
紫がかったダークチェリーレッドの色調が広がります。
艶やかで深みのある色合いでありながら、透明感も感じられます。
粘稠度はやや強めで、ワインのしっかりとした質感を予感させます。
グラスを回すと、華やかで豊かなアロマが広がります。
ブラックベリーやカシスの熟した黒系果実に、ブルーベリーの甘やかさが調和し、さらにトウガラシやハーブの清涼感がアクセントとなります。
樽由来のバニラやカカオ、クリームのような甘やかなニュアンスも心地よく、スパイシーさと柔らかさが絶妙に共存しています。
ミントや針葉樹の爽やかさが繊細に香り、時間の経過とともにポプリやインクの奥深い香りが現れ、複雑さを一層引き立てます。
口に含むと、最初にふくよかな果実味が広がります。
カシスやブルーベリーの甘酸っぱさが印象的で、そこにシナモンや梅紫蘇のような繊細なスパイス感が加わります。
タンニンは非常に滑らかで、しなやかな質感を持ちながらも、しっかりとした骨格を感じさせます。
酸味は程よく、全体を引き締める役割を果たし、エレガントでバランスの取れた仕上がりです。
ミディアムボディで、飲み心地が良く、スムースに喉を通ります。
余韻にはヴァニラや樽の甘やかな香りが優しく残り、全体的に洗練された印象を与えます。
うーん、ボルドーーーーー!
飲んだ日:2024-12-01
飲んだ場所:オアシス
買った日:2024-11-14
買った場所:オークション
価格:9,570円